あれでは,ほぼ勝てません (2025.4.20栃木シティ戦レビュウ❶)

0 – 1 の敗戦。

ひょっとしたら。

引き分けだった、かも知れない。

が、勝ち(相手よりも得点で上まわること)は、掴めなかったでしょう。

……山雅が自分たちのサッカーを遂行できたのは、前半の後半くらいなもので、

ゲームのイニシアティブは、ほとんど栃木が握り、主人公も彼らでしたし、

両者の、スタイルにおける徹底度、という意味で、

そこの実力差を、ストレートに反映した、つまり、順当なゲーム内容と結果だった。

つまり。

栃木シティは、普段とおりにやっていて、

山雅のほうは、終始、地に足のつかないサッカーをやらされた。

場所がアルウィンなだけ、自分の土俵でサッカーができない。

今の山雅流だと、格別な〈対策サッカー〉でないから、勢いこうなるんですが、

それにしても。

上手くいかなけりゃあ、どこかで修正を噛まさないといけない。

けれど。

そこに行くまでの、メンツ(の組み合わせ)と、手法が見えてこない。

まえまえから、喫緊の課題は攻撃に在り、と僕は、主張していますが、

それがはっきりと露呈したことでしょう、観客の眼に。

失点シーンのやりとりは褒められないが、

守備面はそこそこ、でも、攻めにおける意思疎通と、定番的な手法が繰り出せないのは、おおいなる悩み。

〈ゲームを決定づけた基調〉

知らないものはわからない、とはこのことで、

今回。

栃木シティのサッカーに初めて触れてみてわかったのは、

ドリブルがリーグ最多、かつ、パス数はリーグ最下位クラスの、その秘密であって、

そのやり方とは……、

4 – 1 – 2 – 3 の陣形を、みづからピッチ全体に広く散開させる。
(☞ピッチ全体を使うには、4バックはもともと最適なシステム)

こうすることで、ルーズな(セカンド)ボールを多く回収できるし、粗く蹴り出しても、誰かがそこに、相手より早く到達できる。

ドリブルは、

田中パウロによる得点のように、シュートシーン直前のボール持ち込みもあるが、

その多くは、相手守備の、いわば、防波堤を下げさせたり、穴を衝きながら、

決定的な縦パスを繰り出すための助走(=序奏、合図)として使われるのです。

ゆえに、この瞬間、チームには〈ひたすら攻撃〉のスイッチが、ミゴトに入る。

63分の失点シーンは、そのシンボル。

野々村によるパスカットの(クリア)中途半端、松村のスライディング不発、

二ノ宮のパスコース消し方の不徹底と、これら多重的な不出来はあったものの、

栃木のお得意が、ズバリと決まり、きっかけの縦パスは、ピーター ウタカを狙っていたわけだから、

ウタカこの日最大の仕事は、その位置取りと、(二ノ宮の注意を拡散させることで) 田中を支援したムダ走りでした。

これに対し、山雅のゲーム基調とは

リジットで緊密な陣形によって前後に早く連動すること。

ですから、

広く散らばった栃木シティの陣網のなかに入りこんで、自分たちの、比較的短い距離の中で仕事をするとか、

あるいは、相手の最終ラインの裏か、その外縁スパースを狙い侵して、ペナルティエリアにボールを持ち込む、このどっちかだったはず。

でも、結果からすると。

前半のラスト20分をのぞけば、それを貫徹できなかった。

前線は前から追いかける。

けれど相手最終ラインを慌てさせることも出来ずに、そこと中盤、あるいは、ボランチと 5バックのラインのスペースがポッカリと空いてしまい、

そこに、栃木#10らが入り込んで、自由にボールを受けられ、そこから、縦パスをゆるした。

これを繰り返していたので、先発は体力を消耗し、

かつ、途中投入のメンツが、新しいアイデアをプレゼンできないのだから、

失点後は、攻撃がかなりチグハグになりました。

早川監督は、高知戦の負けの後、その要因を準備不足としたようですが、

僕からすれば、こっちのゲームが、その300%は、準備が足らなかったかな、が総評です。

今季最大の〈痛い〉敗戦であるからこそ、ここから、どれだけ学べるのか?

でないと、ああいうサッカーに対しては、現状では、ほぼ勝てませんから。

では。