対応の不徹底を、面と向かって責める場合に、
ちょくちょく〈危機感がない〉が使われるようだ。
あるいは、緊張感がない、とも。
どちらとも、相手のココロの持ち方を、こちらが勝手に描写して押しつけるやり方なので、
言われたほうは、おおかた、ムッとくる(だろう)。
こういうのは、他に、〈何々じゃあないですか?〉という、一見、下手に出る質問形のやつ。
いや、あんたがそう思うだけだろう?、と言い返したくなるが、反論するのも面倒だから、会話はそのまま流れていく。
相手に注意したければ、油断するなよ、ぐらいが爽快でいい。
さて。
その〈油〉のこと。
他県よりも リッターで 10円前後は 高いガソリン価格。
なぜそうなのか?、を知りたい某県の首長が、
特段の理由はありませんと回答した、石油商業組合の幹部に、
あんたがたは危機感がない、と言い放ったんだそうな。
地方政府に、ビジネス上の原価構造を求めるような捜査権はないわけだから、
どういう回答を期待していたのかがわからないが、
ともかく、危機感うんぬんを問う相手が違っている。
良否はともかくとして、
自分たちの商売の存立のため、もしもの話、価格維持のメカニズムを運用してきたのなら、当の業界には、危機感は十分にあったわけで、
数十年、高い高いと愚痴はこぼすが、なんら具体的な行動に出なかった、どこその県民、行政の指導者、民の生活安定を語る政党と議員、
こっちのほうが、よほど危機感など、なかったのではないか。
もちろん、やりとりの高みの見物を決め込む、この僕も。
では。