(佐相のフィードがアシストといっても、実質は)
#10菊井 悠介の、個人技によるドリブルとゴールで、先制。
が、70分過ぎに立て続けに被弾し、1 – 2 の逆転負け。
ゲーム後、斜め前のおじさんが、
― 点を獲ったら、あとはガッチリ守ればいいじゃんよう、と独り言。
敗戦の落胆と勝ちが観たい気持ちはお察しするが、
今の山雅はそういうサッカーを追求していないので、なんとも慰めのしようもなかった。
ボール保持はおそらく、奈良に 60%くらいで傾き、シュートもこっちを上まわったと思う。
が、ゲーム様相の本質は、おのおのが採用したサッカーの出来、に在った。
奈良が、ボールを握ることで、相手の出足をいなしながら、サイドから中へと並走を仕掛けてゴールをめざした。(受け身で逃げておいて、トドメの一刺し型)
対し、山雅は。
おそらくは今季テーマの、自分たちがイニシアティブを獲るサッカーを完遂しようと図る。
(ボール保持の有無にかかわらず、みずからが先に局面を動かす型)
で、自分流を貫くことにおいては奈良が幾分か上回った、そんなゲームのように診ます。
今節も、主義の追求でいうと、
70分過ぎまでは、我がチームは持ち堪えていたわけで、
満を持しての 2枚替え(サイドバックとトップの一角)直後に失点とは、
結果として皮肉な成り行きであり、そこが〈巧さ〉の不足ともいえる。
ともかく。
一度決めたからには、やたらと思想がブレてはならず、この道を究めてみるべきですが、
このサッカーをやるには、かなり持続的に体力を消耗するはず。
僕から観ると、忙し過ぎるシーンも多い。
筆者は、自分がヘタレの資質なので、
1月以来ホームグランドが使えずに、ほぼふた月間、
宿暮らしと日々出張出稽古に明け暮れしていれば、
(たとえ、チームは、それを言わずにいても)
プレイヤーに疲労の蓄積は在るはず、と同情する。
ゆえに、60分を回ると、やってるサッカーがサッカーなものですから、
頭脳と身体ともに、動き出しの速度と執拗さがガクンと低下するのは、ここ2ゲームで顕著。
あと、アウェイ 1ゲーム(宮崎戦)を、なんと凌ぐしかないとして、
ゲーム中の修正とは別の次元で、
基準に据えたいサッカーについては、
目先の勝敗に浮足立つことなく、
容易に軸をブラすことは、禁物。
じっくり構えましょうよ、大仏のように。
いや、アルプスのように、か。
では。