なんといっても、目にみえた、いちばんの進化は、
早川氏が、セットアップのジャケット姿で采配をしたこと。
いやいや、これなんかは、〈新化〉と言うべきか。
と、軟な話は差し置くとして……、
ゲーム中にあった、❶いちばんシンボリックな進化の光景は、
前半22分頃だったか、(DAZN画面では拾えていないけれど)
沼津が押し込んでいた状況下、山雅がなんとかクリアしたボールが、相手ゴールキーパーへと到達したその瞬間、
山雅の最終ラインを含む陣形全体が、グッと前方へとひた走る。
この時、沼津の最前線は、遅れをとってそのまま居残る格好となった。
山雅と沼津の切り換えのスピード感は、4倍速くらい山雅のほうにあって、
迅速なファイティングポーズ、これは、あきらかな新味。
強烈、かつ細かな落とし込みを感じさせる。
布陣的には、センターバック 2枚と、ボランチ2枚、ここはしっかり作っておいて、特に、#10 菊井が自由度を有して動くから、
4 – 4 – 2、4 – 3 – 3、4 – 2 – 4、と流動的にやるのは、
相手のマークに狂いを生じさせる意味でもいいが、
要は、沼津でいえば、#8のようなセンターフォワードを欠いてシーズンインしている山雅なんで、そこを今後、どう覚悟するのか、打開するのか、にかかわる。
たとえば。
終盤になってやり続けた、ボール蹴り上げの裏面狙い作戦ですが、
あれが、果たして、❷浅川 隼人の投入が、活きるための戦法であったかどうか?
右から菊井が入れたクロスに、頭で反応したのは前田 陸王でしたが、やはり、あそこは、浅川を狙ってもらいたいし、そういったシーンを多く創出すべき。
ロングシュートが枠外、ってのを観ると、菊井はやはりアシストで活きる。
野々村 鷹人が、パスを、前線右の 佐相(あるいは凱光)へ、(サイドバックを飛ばして)ダイレクトに入れるようになったのも、目につく変化。
これを筆頭に、パスの出しどころの逡巡、ためらいといったムダや、陳腐さが消えて、同時に、❸前方向を選択しようという姿勢がめだつ。
……進化、のいくつかを拾ってみましたが、これを大切に究めていく。
として、すると、どうしても、運動量が増すわけで、
沼津戦で起きた、終盤へかけてのガス欠からくる、陣形のルーズが生じてしまう。
互いの距離が延びて、ボールを先に相手が拾うことで苦しい局面が生まれる。
ここを、交代カードの使い方を含めて、どうやって克服するのか?
次節以降の注視点だと思います。
では。