〈交代〉はむづかしい……。

組織(特に企業)にあっては、

昇格、昇任よりも、降格や降任のほうが、

(これをおこなう側からすると)数倍むづかしいことを、数十年のサラリーマン生活から学ばせてもらった。

降格人事をスパッとやれて、そこに遺恨や分派抗争が生まれない組織は、

それこそ、最強だろうな、と思う。

他方。

サッカーの世界では、昇格は難題、かたや、降格はいつでも起こり得るから、真逆といえば真逆。

2部からは、群馬、鹿児島、栃木の3つが、来季は 3部に降格(確定)。

1部からは、鳥栖が、来季は 2部へ(決定)。

鳥栖については、数年来の負債超過を解消できず、

横山 歩夢を放出するなどして資金獲得に必死だったんだろうが、それも焼け石に水だったのか? (多分に、結果論ではありますけれど)

どのリーグで闘っていようが、クラブとチームを支え続けるファンでありたいと願う僕であるから、

今は、これらチームのファン&サポーターの奮起を望むばかりなり。

ここ数年。

山雅の周囲で学んだことのひとつは……、

人間の特性として、愛着が深まるほどに、対象物の実体(=現在)よりも、むしろ、

過去の成功から創り上げられた個々の〈幻想〉が独り歩きする。

これが、集団内で共有されると、〈全体幻想〉の登場だ。

それ自体は、クラブやチームの伝説化、ブランド化につながるからいい事なのだが、

時として、現在のありのままを受容できずに、

今はどこにもないような〈神格〉基準から裁いて云々する、といった不毛で、アンフェアな議論が生まれやすい。

現在の、クラブやチーム山雅が負わされている不幸のおおくは、そんな部分に在って、

過去に目がくらんだ者の声(=発信力)が大きいのが絶対傾向だから、これまた厄介なこと。

ところで。

SNSを覗いたら、

AC長野パルセイロの会社トップが交代になった、とか。

プロフィールを拝見すると、

長野市を拠点とした有力企業の代表取締役でもいらっしゃるのか。

両者兼任となれば、まことにご苦労なこと。

支えるNo.2、あるいは、実務的な才能の出番でしょうかね。

山雅の場合。

20年をかけて、創立当時のリーダー役、つまりは、青年会議所メンバーたちが、だんだんと後方へ引いて、次世代への経営継承が一段落をみせている、つまりは、ほぼ巧くやった。

対し、北信には北信のやり方があるらしく、

たとえば、長野市長を、名誉〇〇に据えるとか、

長野市界隈からの音頭取りだとは思うが、北信全市町村に、右向け右!!でホームタウンの網をかけてしまうとか。

だから、今回のトップ〈交代〉方式によって、

クラブが存続し、隆盛をみられれば、

地域の民にとっては、生活所感として、いちばんナチュラルだ。

……そんな選択による交代劇なのだろう。

この県に、プロサッカーチームは、いくつ在ってもかまわない。

要は、個々が、独自で固有の文化を持って、凌ぎ合えばいいのです。

では。