サッカーの〈不思議〉を活かせ (讃岐から奈良へ)

幻の 5点目となった、馬渡からのクロスに合わせた樋口のヘディング。

あれは、それをダメ押ししようとした村越のポジションがオフサイド、とジャッジされたのか?

相手キーパーの不安定さだと、村越が関与しなくてもゴールになったような気もして、とにかく、気の毒なことでした。

……さて。

前稿では、

リーグにおいて、シュート数では、山雅 1位、讃岐 2位、とご紹介しましたが、

このゲームでは。

それぞれが放ったシュートは

山雅 14 (枠内 6)、讃岐 23 (枠内 7)

時間帯でみると、讃岐は、前半のラスト15分でシュートを 11本撃った(で、1得点)、

さらに、後半61~75分には、シュート 8本を積んだ。

で、ボール保持は、ゲーム計で、讃岐 60%、山雅 40%。

こうなると、スタッツからだと、このゲーム、讃岐が〈優勢〉と見えてしまう。

ところが!!

前半は、シュート 6本で 2得点、

後半46~60分で、シュート2本で 2得点と、実に効果的にモノにすると、

讃岐の、ふたつの時間帯におけるシュートの固め打ちを、1失点でしのぎ切り、

ゲームラスト15分には、相手にはシュート 1本をゆるしたのみで、

こっちは 6本打ち込んだ山雅が、そこに在った。

(ここで追加点を獲れなかったのと、負傷の交代カードを切ったことで、山口を投入できなかったことが、このゲームにおける悔やみ)

ラスト15分のギアアップは、多分に讃岐の失意につけ込んではいるものの、

ゲームの趨勢が、タマタマそうなったのではなくて、

山雅が、讃岐サッカーを解析して、それ相当な作戦を遂行したことを、僕は信じるんですが、

こういったサッカーの不思議、につけ込む、利用することが、山雅には必要。

なぜなら。

相手と隔絶した力量は、残念ながら持ち合わせでいないので、

どうしたって、〈戦略〉、いや〈策略〉を持ってゲームに臨戦しなければならぬ。

たとえば。

敗戦(1 – 6)した5月のアウェイ金沢。

ボール保持が 55%でありながら、4失点を喫した前半のラスト30分の過ごし方。

ああいったゲーム運びをすっかり克服し、足を洗わないと、

決意と覚悟、といった精神論だけでは、ラスト 9ゲームを使った上位追撃はおぼつきません。

山雅が残りを全勝してやっと到達する、勝ち点69。

これを、すでにアルディージャは積んでしまっていることでもあるから、

いま、掘り込むべきは、ゲーム戦略と、それを支える技量のみ。

こうなれば、

ファン&サポーターの側にも、〈勝たせる戦略〉が求められているはずですが、

その意識化と組織化に動いているのだろうか、皆さんは。

では。