強みでしか勝負できない (富山戦レビュウ❸)

とことん対策的であること(富山)と、対策には専心しないこと(山雅)。

今節は、そういったふたつのサッカーの対戦でもありました。

で、それぞれのやりたいことにおいて、富山側のクオリティのほうが優った。

❶ロングボール作戦に、どう向き合うか?
こっちの前線に高さが期待できない以上、実直にやりあえば、9割方はああなる。

これからの対戦相手が、山雅とやる時に、富山戦をベンチマークにするとしたら、なんらかの答えも必要かも知れない。

僕は、米原を1列下げて、スリーバック的に野々村、米原、常田を並べ、

そこで空中で競って、クリアボールを、どうやって前方へ渡すのか、

あるいは、ピッチに落としてしまうのか、ハッキリしたほうがいいと思う。

それと、応酬策としての、こっちのロングフィード。

大内のフィード多用が、今の前線だと、生産性が低い。

思い切ってサイドへ出すとか、あるいは、もっと奥へ供給するかで、距離を稼ぐほうが、リスタートによって布陣を高く上げるに好都合では?

❷今節のMIPは、常田 克人。
安永らのロングスローは、ゲーム中、数回は常田が後方から駆け込んで、ボールを後ろにそらす方式が、もはや定番化。

33分、安永が右サイドからスロウの準備をしていると、常田は逆サイドにて給水。

あぁ、これ相手を欺くサインだろうね、と思って観ていると、やはりそういうチャレンジだった。

常田からのを浅川がヘディングで狙ったのは、得点の可能性が高い。

さらに、コーナーキックでも、常田から後方へそらすことをやった。

のほほんと、しかし、巧妙に狙う。

〈狡猾〉をウリにすべきですよ、常田は。

❸中村 仁郎でフィニッシュするのか?
今節の不足は、

クロスの投入と質が、中のプレイヤーとジャストミートしなかったこと。

それ自体は、精度を高めるしかないけれど、

あとは、中央突破において、中を固めた守備網に引っかかるシーンが多かった。
ラストパスがずれて、味方に渡らないとか。

これ、ペナルティーエリア外縁から遠くても、シュートを狙うべきでしょう。

でないと、ワンタッチを狙っている浅川の位置取りも活きてこない。

中村 仁郎が、カットインからファーへシュートを撃ったこと。

コーナーキッカーを務め(49分)、菊井へショートで出し、それをヒールで繋いでもらってシュート(バーに嫌われた)までいったこと。

このふたつ、魅せました、お金を払っても観る価値あるプレイ。

チームとしてだんだんと彼を使うように、彼も、自分を打ち出すようになった。

こういう個人技の発動願望は、今の山雅流なんだから、もっと期待します。

❸リスタートを巧妙に。
フリーキック、コーナーキック、ロングスロー(する,しない)。

ゲームが中断されるこういったシーンを、できるだけ巧く使おう。

相手にファールが多いし、また、ヴェテランに頼らない山雅は、こういうことでゲーム優位を引っ張るのが現実的。

得点したチームが、ピッチに散開してスタートの笛を、今かと待っていて、

失点した側は打ち合わせをしていてようやく位置につく。

チームで考えて修正をかけるなら、そんな愚直さでいい。

❹あとは、妄想。
米原に代えて、國分を、ボランチ投入。

独特のリズムとパスセンスは悪くない。

こうなったら、体幹がそれなりで長躯の米原をディフェンダーへ転用し、

村越をボランチで起用もあり、と僕は思うが。

妄想過ぎますかね。(それよりも、時間が待ってくれないか?)

では。