もしも、この件を、霜田さんに訊けば、おそらく、
ボールを能動的に動かす攻撃的なサッカーをめざすことは絶対不変、と答えるに違いない。
僕も、そう思う。
ただし。
データを時系列的に追うと、高圧をかけて攻めることにはブレはないが、
変質、または、旋回も浮かび上がる。
❶ゲーム当りのパス数に、注目せよ。
対戦相手の流儀、点の入り方(先制/被先制、時間帯)の要素に大きく左右され、
ややもすれば結果論であることを承知で、あえて指摘すると……
ターニングポイントは、大宮戦(第13節)だったと診る。
本来がボール保持にこだわらない大宮のパス数は、361本。
対し、山雅は、それよりかなり少ない 286本。
ロングボール(フィード)を織り交ぜ、大宮の中盤を機能させないように、
手数をかけずに侵入する戦法が、おおいに奏功して、2 – 0 の勝利。
これに味をしめたはずなのに、対北Q(予想されたドロー)、今治(たまたま逆転負け)と、足踏みが続くも、
鳥取戦で、(4 – 3 – 3を採用し)〈大宮封じ路線〉へと回帰して、
4 – 0 と持ち直し、
先日の沼津戦では、沼津パス数 680本、対し、山雅 280本。
山雅のボール保持率34%、とやることがより徹底されて、4 – 0。
ちなみに、パス数のリーグ第1位は、沼津、第4位は鳥取。
また、ボール保持率のリーグ第1位は、沼津、第3位が鳥取だから、
2週連続でこれらと対戦できたのは、予習、復習がまとめてできたという意味で、山雅にはラッキーだった?
とすれば、ゲーム思想で失敗したのは、第4節福島戦(0 – 1 の負け)
パス数、ボール保持ともにリーグ第2位の福島に対して、
山雅のパスが 516本、対し福島 341本、山雅のボール保持率 58%。
考えようでは、福島にいいようにハメられた、と言えるかも。
まぁ、ホームで倍々返しすることと、いたしましょう。
……以上、要約すると、
パスのひとつひとつにもっと意思と重要さを込めて、
常に前方向を選択することでゴールに迫る、そんなことが、鮮烈になっている。
では。