家人から、しばしば苦言されることがありまして。
僕が、なんでも(彼女の発言に対する) 批判から入る、という。
いったん、そうだよね、と受けとめておいて、
次に、おもむろに(しかも穏やかに)、でもね、こんな考え方、観方もあるよ、とやれば、きっとご機嫌を損ねることはないだろうが、
レストランの評価でもあるまいし、
あれもこれも、という生きかたに僕は疑問を持っているので、
今後も同じことをやって、家人のご不興を買うに違いない。
最近。
読みだしたばかりの、デカルト(1596~1650年) の『方法序説』の冒頭には、こうある。
良識(=理性)は、ひとに公平に分かち与えられたものであって、
だれでも十分にそれを備えていると思っているので、自分がいま持っている以上を望まない……
この説の真意がどこにあるのか?
それは、これから読み進めていかないと知れないことだろうが、
こういう書き出しは、かなり魅力的でいい。
というのは、
書かれてから 400年経っても、読む者を、有無を言わせず
〈理性〉といわれているものを吟味させるかのように、誘うからなんです。
もちろん、これは、今現在の、僕の問題意識に、ぴったり来た!、というに過ぎませんけれど。
では。