ヴェテラン論 (2023季,急いで総括)

リーグ戦が終了すれば、すぐに、

満了、移籍、更改、加入のリリースが続くだろうから、

ファンサポーターは、新情報があるたび、もはやそれだけ、こころは来季。

とにかく。

所属の半分近くがごっそりと入れ替わる毎度のシーズンオフなんで、なんともせわしい。

数年前だったか、コンサドーレがそれと一線を画し、既存プレイヤーの全雇用を打ち出したことがあったり、
ジュビロは、2023季、補強一切禁止のペナルティの中で闘い、見事、2部リーグ第2位。

とすれば、出来る限り現有戦力の保持でいい、と思うが、

山雅の場合、個の流出を防禦できるような立ち位置、戦績でもないから、冬を安穏に過ごすには、過度な期待を持たないのがなにより。

さて。

2023季を総括すれば、究極のところ〈ヴェテラン不在の功罪〉だろう。

ゲーム登録メンバーの肉体的年齢が低下するとともに、

ヴェテランの不在が、好不調のゲームがかわりばんこに現われる現象にかなり大きく影響した。

ここでいうヴェテランとは、単に年齢が高く経験豊富である以上の、いわば、インフォーマル(非公式)なリーダーシップを発揮できる者を指す。

山雅の場合、2021季に田中 隼磨がほとんどピッチから去った頃から、
そういったプレイヤーはずっと不在。

隼磨は、そのプレイでチームに喝を入れ、ゲーム潮流をこっちに持ってこられる存在だった。

さらに、2022季、佐藤 和弘が移籍していったことで、ゲームの流れを寸断できるプレイヤーは消えた。

と言っても、

今の山雅は、ヴェテラン不在を嘆くようなゲーム統治をおこなっていないので、

正確には、〈ヴェテラン不要〉で戦った一年だった。

ゲーム前後、ピッチでチームが円陣を作る、ってのがその象徴的な光景。

現有の比較的高年齢のプレイヤーは、統率者というよりは、〈仕事師〉の容貌が色濃い。

要は、いまの山雅、フィールドマネジメントにおいて、

ヴェテランの持ち味を、アテにしていない。

(ファンサポーターの知りえないところでの実態は知らないが)

僕は、引き続き、不要論の立場でチーム編成をすべき、と思っている。

おそらく。

ゲームの出来不出来の波が大きい、勝ち切れない、引き分けに堪えられない、そういったゲーム運びの修正は、

個の技量とチームスタイルの完成度を高めることによって、というのが首脳陣の思考に違いない。

そうするには、流出を最小限にした上
たとえば、和田 昌士(現いわて)のようなタレントを補填することによって、

背番号#10 を背負うための競争を激化させるここと、

犬飼 智也(現柏) クラスに声をかけて、守備陣の定位置競争を活発化すること、

このふたつは、やらないと。

では。

もうひとつの責任 (姉妹たちよ)。

女性のほうの、お話。

❶今季結成されて、即、北信越女子サッカーリーグに参戦した、〈松本山雅レディース〉

U-15 でやってた彼らが、長じて、やがて松本へ戻った時に、サッカーを続けたいという意思の〈受け皿〉となった。

出来立てだから、けっこう大量失点のゲーム報告も目にしたけれど、

終わってみれば、8チームでのリーグ戦をこなし、6位。

戦績は、2勝4分8敗の、勝ち点 10。

得点 28は、上から 数えて3番目というのが、いいねぇ。(ただし、トップ2との差は大きい)

小林 陽介監督、なかなかやるじゃないか。今度お目にかかったら、深く御礼するのだ。

❷U – 15 レディース(中学生年代)、2023リーグ。

結成されて 5年が経過。

いまや、北信越 U-15レディースリーグにあっては、

アルビレックス新潟レディースU-15と、双璧をなす存在となった。

2023季の最終成績は、

14戦して、12勝0分2敗で、勝ち点 36の、2位。

得点 64、失点 9 はともにリーグトップ。☜ 特に強調!!

(1位は、アルビレックス新潟で、12勝1分1敗の勝ち点37。得点55、失点10)

中学時代を、山雅で鍛えられ、やがてリターンしてレディースで活躍する、そんな流れが確立されれば、良い。(男性だって、まったく同じ)

……となれば。

競技である以上は、より上の世界を望みたくなるのが人情でして。

女子サッカーのトップリーグは、(いちおう)WEリーグ(12チーム参戦)。

たとえば、AC長野パルセイロレディースの場合、

収入(売上) 1億7,300万円、支出 1億1,900万円、

東京V 日テレベレーザだと、

収入(売上) 3億7,400万円、支出 2億4,500万円。(ともに、2022季決算より)

クラブ決算のなか、どこかにマジックがあるやも知れないが、これを見る限りは、

トップチーム(男子)と二股は不安定、とった危惧の議論は、あまり適切でもない。

かように、やがては、トップリーグの世界へ、とは思いますが、

まづは、アカデミー関連収入(いわゆる月謝)を、早くなくすことが先決。

スクールを無料化すれば、家庭の経済的な負担を、すこしでも軽減できる。

山雅の場合、2022季で、

アカデミー関連収入が、2,300万円。
対し、アカデミー運営経費は、1億400万円。

もともとが、この分野は、ヤングジェネレーションの育成と地域への還元だから、黒字化は目的でない。

この際、授業料 0円 (ただし家族の負担はそれ以外に多い) として、

かつ、財布の現状をもっと公開することで、RAZUSO 基金への募りを加速しよう。

では。