45分で,勝って魅せる (2023.9.30八戸戦レビュウ❶)

2 – 1 の逆転勝利。

おいおい、あっけらかんと、ペナルティキックで失点かよ。

けれども、それが開始早々(4分) だったがゆえに、

相手が時間稼ぎで守りに入るような、膠着したゲーム進行にもならず、

山雅プレイヤーに心的ダメージが少なかったのが儲けもん、でした。

― キックするたびに、すごい水しぶきが飛ぶわよ、と家人。

― いや。あれ、砂が飛び散っているのよ、芝がはがれたところの。

― でも、不良なピッチは、お互い様だから、理由にならないわ。

― いやいや。
あの芝でやり馴れているホームチームが、断然有利です。
荒れた芝を、勝敗の言い訳にできない、というのはたしかですけどね。

……(おそらくは)そういったコンディションのために、

後半開始早々からは、ロングボールを蹴り込んで、そのセカンドボール回収戦法に踏み切ったんでしょう。

そこの修正によって、ゲームをモノにできたと考えるならば

ほぼ完璧な試合運びによる勝利(=完勝)、という評価になります。

逆に言うなら、それほどに、ヒドイ前半でした。

ボランチの安永や米原が、有意味にボールタッチできたのは、ようやく(おそらく)ゲーム開始後15分以上経過していたのが象徴的で、

要は、前半はほとんど、山雅にはゲームメイクする中盤が存在しなかった。

で、中盤における蹴り出しやパスが、ほとんど相手に渡る。

それに加え、村山 智彦や小松 蓮に諫言されてしまうような、低質なジャッジレベルがあり、

ムダに熱くなって、荒れたゲームに流されっぱなしになる危うさが噴き出して来た。

そこで。

自分流サッカーを見切ってしまって、

むしろ、相手のやり方に降りて行って、それを、力量で凌駕してしまう考え方を採用したベンチワーク。

八戸の地では、後半の45分だけサッカーをやった山雅だったにせよ、

あの舵切りをやって魅せたベンチワークこそが、もっとも称賛されるべき、としておきましょう。

では。