宮崎戦の先発メンバー。
36歳の村山(ゴールキーパー)をのぞいた、フィールドプレイヤー10人の平均年齢は、23.4 歳だった。
調べたわけではないが、3部リーグにあっても、最少年齢の部類に入るだろう。
さらに、そこには、ホームグロウンプレイヤーが、4人含まれる。
この4人はすべて、レンタル移籍、いわば、出稽古の修行を経ていて、レギュラーを張るまでに、それなりの数年を過してきた。
現状山雅のサッカー、特に、その強弱についてどう思おうが、
認めようが、認めまいが、
これが、僕らが一緒に戦うチームの現実。
大学、高校を出て2~3年の経験を積んだプレイヤーが、ともかくも、中心的な役割を担う、そういう世界。
ここには、一本筋の通った、計画的なチーム編成のヴィジョンがうかがわれる。
やってるほうは、21世紀生れ、観ているほうは、多く20世紀の少年少女……。
そういった事情をベースに、
宮崎戦では、おそらくは狙うところの、ひとつの典型を魅せてくれたチーム。
❶徹底して、より前方からのファーストディフェンスを敢行することで、
相手から自由なボール扱いを奪い、こちらの攻撃起点を高く保つ。
(単に、カウンター攻撃に活路を求めるスタイルとは違う)
❷ボールを握ったら、常に〈前方向〉へとそれを動かし、かつ、相手の守備陣形が整う時間をあたえずに、攻撃をおこなう。
たとえば、菊井は常に小松 蓮にボールを入れようとし、野々村は、野澤に縦パスを通そうと機をうかがう。
いったんボールを後ろへ下げて、前を向いたプレイヤーに預け、そこから前にボールを挿し込む、なんてことも多用。
〈速く〉を意識していたから、あの夜のクロスは多く、斜め後方から中央へ蹴り込まれた。
宮崎にしてみれば、山雅のファーストディフェンスを、中盤でかいくぐりたかったんだが、そうするには、いささかボランチの動きが不活発でそこが使えず、サイドへサイドへ展開するしかなく、山雅にとっては、守備するに容易だった。
#16 石津がいちばん厄介な存在で、中央に入ってきては、危険な縦パスを通すなどして決定機を演出。
ゆえに、60分、宮崎は石津をピッチから下げ、フォワードをそっくり3枚替えする手法を採ったけれど、これは山雅を利することとなった悪手だったと思う。
中央に自在に入って来て仕事ができる者の不在は、痛い。
若いが故かも知れないが、山雅プレイヤーはけっこう走れているから、フレッシュな相手にやられっぱなし、ってことは、少なくなっている。
3連勝がかかる、次節岐阜戦でも、❶❷は間違いなく継続、深化でありましょう。
では。