同点とされるも、突き放して、2 – 1 の勝利。
内容、結果ともにグッジョブ、と評価したいゲーム。
準備してきたものを淡々と、しかも、手を抜かずに、チームは闘っていた、と思います。
村越 凱光のロングスロウひとつとってみても、〈実直に〉やってました。
そう、すくなくとも、チームは。
……というのは、いま、山雅界隈で煩わしいのは、
〈昔日の幻影〉に目がくらんで、チームの今をよく観ていない、山雅ウオッチャーであって、
実際は、リアリズムの眼でウオッチしていないからこそ、トンマな言説に走るんでありますが、
例えば、FC琉球について、あたかも、山雅キラーのごとくにジンクスっぽく言うなんてこと。
過去、4戦全敗したことは、事実。
けれど、今季前半戦における両者の出来を観たら、こういう言い方には、決してならないはず。
正確には、
どっちが勝ってもおかしくはないが、自己サッカーの追求という進化面では、山雅にかなり分がある、といった観測にならないとおかしい。
それが、もしもマジメなサッカー評であるならば。
考えても御覧なさい。
数箇月前ならば、このカード、
昇格筆頭候補による決戦、好カード、とはやし立てる向きもありました。
だが、今や、そうは表現されないところに、昨夜のゲームの重い基調があった。
つまり。
琉球には、2年前の凄みはもはやなく、
主に、前線プレイヤーの経験と個人技に依存するような、変に大人びた迫力の無さがめだつ。
数年間の2部リーグ暮らしが、かえって、チームの牙を削ぐ?、まさか。
主審の笛が適切でない部分も多々あったが、ファールまがいのインサイドワークは、時として、琉球みづからのリズムを崩していましたしね。
他方、山雅にすれぼ、まだひ弱さは残るにせよ、ここ4ゲームで仕上げて来た到達形を大切にしながら、サイドおよび中央を活かして前への傾斜力を強める、そんなチャレンジがあった。
結論からすると、
山雅による、自分のゴールからは、より遠いスペースでバトルを挑む、という〈割り切り〉、それが奏功したと診る。
ロングボールの思い切った蹴り出し、それによって相手を奥の方に押し込んでおいて、こっちは前を向いてセカンドボールを狙う、そんなやり方です。
それに付き合う格好で、琉球は、基底からの組み立てを棄てざるを得なくなって、その攻撃からは、リズム感が失せましたから。
では。