〈ゲーム、そのおおざっぱな実相〉
ドローに終わった、今節。
ゲームプランの成就、という意味では、今治がより、それを達成した。
前半を堪えて、スコアレスで凌ぎ切り、
後半に #10ヴィ二シウスを投入して、阪野とのツートップで強圧をかける、といったプランは、
ともかくも、#10のアシスト、#99阪野の先制点として、結実したからだ。
ただ、正直いうと、#9 近藤 高虎の左サイドにおける突破のほうが、山雅にとってはよほど脅威だった。
だから、近藤、阪野を引っ込めた 78分と、
山雅が3バックにシフトした 80分の、交代とシステムの交錯が、
それ以降は、山雅が、ゲームを有利に運べたキッカケのひとつ、だと思う。
今回の山雅ベンチワークは、そこそこ機能したわけか。
樋口 大輔が、左サイドバックとして活きる予感も得られたし。
〈今後の課題〉
あれ?、こんなにやらせてくれるの、といった今治の緩さがある中で、
山雅の十八番とも言える、前後半それぞれの冒頭における、猛ラッシュ、あるいはフルスロットルの時間帯。
ここで得点できなかったことが、勝ち切れなかった根本要因。
センターバック、サイドバック、そこへボランチが絡んで、相手を崩しながらボールを動かす技量は進歩しつつある。
それによって、相手の守備態勢を横方向に拡げられれば、空いたスペースへ安永 玲央、米原 秀亮が顔を出して、ボールを左右に自在に配球できる。
敢闘賞が安永に贈られたのは、アルウィンにおけるボランチ安永の、公式的な認知宣言。
ただし、そこからなんですよ。
両サイドから、サイドバックなどがクロスを入れまくる、これは否定しないけれど、
ピッチ中央へボールを持って来て、そこから、前を向いた、より最適な体勢でシュートを打たせる、そういう工夫が織り込まれてもいい。
今治戦の前半は、そういう意図がけっこう在ったように思うけれど、
後半はクロス一辺倒となり(それによってコーナーキックは獲られたが)、ゴール正面からのシュートに関しては寂しかった。
〈まだまだ追い詰めよう、みづからを〉
割って入ってもらいたいメンツはあるが、おおよその先発と交代要員が固まってきつつあり、
緩急の攻撃手法が、だんだんと板についてきて、
あと残り 14ゲーム。
(経験的に) 上位チームに迫るにおいて、勝ち点1を縮めるに 1ゲームを要す、とするなら、
現在、首位から 14差、2位から 7差の現実は、
厳しいけれど、上位が万全、磐石でもあらずして。
ゆえに、旗をおさめる状況でも、まったくなし。
大丈夫。
これからもっと追い詰められる修羅場は、ここ数年のならわしからすれば、いくつもあるはず。
3箇月を、苦しむ覚悟で。
ここまで築いたきた地点を見すえ、山雅自身がそれを信頼してやり切るしかありますまい。
というわけで、次節は、東大阪花園ラグビー場へと、向かわざるを得ませんな。
では。