本題は,別のところ。

ジャガー氏との会話(昨日篇) は、もともと違うところにあった。

彼のお説では、

テストで良点を出す子は、

出題者が、どんな回答を求めているか、を察知することに長けている。

たとえば、このことがらを、20字以内で言い換えよ、と問うていたら、

文章中にはかならず、20字に限りなく近い表現が存在するはず、と考える。

いわば、出題者の意図をさぐるゲーム、みたいな世界になる。

すると、ますます、生徒は、テストを出す側(教師)の器(視点、了見) を超えることがむづかしくなるわけだ。

― ところで、今年度の全国学力テストね、長野県は、全国平均以下の出来だったらしいですよ、とジャガー氏。

― 他県から来た小学生が、こっちの同学年の夏休み帳をみて、その薄さに驚いていたところをみると、それもありでしょうかね、と僕。

もちろん。

夏休みの課題の多寡で、生徒の〈学力〉が決定される、とも思っていない。

 

この学力テストでは、教科の問題よりも、〈質問紙〉と呼ばれる設問のほうが興味深い。

たとえば、小学生6年生向けのを、いくつか挙げれば、

❶朝食を毎日たべている

❷いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う。

❸学習塾や家庭教師の先生に教わっていますか。

❹あなたの家には、およそどれくらいの本がありますか(雑誌、新聞、教科書はのぞきます)

❺新聞を読んでいますか。

……問い❶❷は、a当てはまる、bどちらかといえば、当てはまる、cどちらかといえば、当てはまらない、d当てはまらない、の四択で回答。

問い❹は、0~10冊、11~25冊、26~100冊、101~200冊、201~500冊、501冊以上、の六択で回答。

問い❺は、ほぼ毎日、週に1~3回程度、月に1~3回程度、ほとんど、まったく読まない、の四択。

……こういうのは、かならず、なんらかの仮説があっての設問だろうが、

文部科学省(=その御用専門家)の、教育に関する見識の旧さ、が垣間みられるではないか。

では。