割り切りの勝利 (2023.5.3 FC大阪戦レビュウ❶)

ゲーム後。

アルウィンに流れる〈中央線〉(by ブーム)を聴きながら、

― サッカーはどうだった?、と初観戦の男児に訊くと、

― (東京ドームは5分で飽いたけれど)、20分くらいは面白かったよ。

そうなのだ、ゲーム開始からの、まさに、その20分間。

山雅がよりマトモなサッカーをやっていたならば、彼の関心は、もっと長く保たれたに違いなかった。

というのは、後半の後半になって、山雅のギヤがようやく回り始めると、スタジアムの高揚は増して、その熱気は自然と、おさな児にも伝染してしまったからだ。

強風の中、風下のピッチを採らされたこともあって、

ロングボールでスペースを獲りに来る大阪に対し、ある意味、割り切って対応した山雅という構図が、そこには在って、

とにかく、ボールが落ち着かない、バタバタ劇。

前半は、無失点で過ごせればいい、というのが、こっちの思わくだったろうが、

大坂にとっては、山雅のサッカーを封じる、ほぼしてやったりの経過であったと思う。

ゲームがそのままで終わっていれば、

もちろん、正真正銘、今季最低なクオリティ、との評価だったが、

そこを持ち堪えて、こっちに勝ちを手繰り寄せた山雅。

10節を目前にして、ここまで課題が露呈したのは、かえって良いこと、とポジティブに、

〈割り切り〉とは、やってるチームと、観る僕ら、双方にとっての合言葉、と考えましょう。

では。