これこそ事件。

ジム ホールは、ビル エヴァンス『Undercurrent』(1962年発表のアルバム)で、そのギター演奏に出逢っていたから、馴染みはあった。

だから、図書館で、彼の名を冠した『アランフェス協奏曲』(1975年)を見つけた時も、まぁ、ひとつ聴いてみるかぐらいの軽い気持ちで借りて来た。

ところが、早速、車中で流してみて、これはただごとならぬ好演奏ではないか、と驚いてしまった。

ジムのエレクトリックギターはともかく、一緒に演ってるメンツに呆れてしまう。

トランペット☞チェット ベイカー、アルトサックス☞ポールデズモンド、ピアノ☞ローラ ハナ、ベース☞ロン カーター、ドラムス☞スティーブ ガット……か。

これだけのメンバーが、呼吸乱れず、かつ、各パートを自在に演奏しているんだから、これだけの絶品になるわけだ。

後で調べると、発表当時から大ヒットしたらしいが、なんでも後から追いついて聴いている僕のことゆえ、さも、自分が発見した大事件のように書いてしまう。

というわけで、今日は、このアルバムを流して岐阜へ向かうんです。

で、冒頭の、〈You’d Be So Nice To Come Home To〉(戻ってくれて嬉しい)を。

ジム ホールのギターには、切ない郷愁へと誘う魅力がある。

では。