変化のしっぽ その❷(ひとつの皮肉 を楽しもう)

〈堅守速攻〉という、サッカーではおおよそ、どんなチームだってそれをやりたいことがら。

それを、さも、チームカラーやDNAのように語るのはおかしいだろう、とは僕の前からの主張。

良く守っておいて、相手の防禦態勢の整わない間に攻撃をやり切る、という自明を、なぜ?、わざわざスタイルとして押し出すかと言えば、

そこには彼我の、我のほうに圧倒的な力量不足を補う、いわば、向かい風をなんとか凌ぐやり方を強調したいがためなんだから、

少なくとも、今の山雅とその周辺が、特に3部リーグにあればなおさら、十八番(おはこ) のごとく胸を張ることでもありゃしない。

それが証拠に、対奈良クラブ戦で露わになったことを見よ。

つまり、かつてないほどに〈攻撃的サッカー〉(この表現も、実は乱暴だが) にフォーカスする、要は、点を獲れるゲームをやる、と宣言したチームが、

かつてないほどまでに、最前線から基底ラインのすべてにおいて、すなわち、ピッチ全体で、

相手ボールホルダーに対してのディフェンスを、マメに、かつ、ねちっこく追求しているではないか。

この部分の献身性で、滝 裕太は、すでに、家人のココロをつかんだ模様。

攻撃的でありたいがゆえに、追い込みとボール奪取に傾注する

なにやら皮肉にもおもえる現象が、じつはサッカーの王道であるかも知れない

ということに、僕らはそろそろ気づき、それを正当に評価して支援する時季にある、というのが今回のお話であります。

では。