そこは, デートリッヒでしょう。

あれは、金曜日の朝だったか、公共放送のニュースで、バート バカラックの逝去を聞いた。

1928年生れの、享年 94歳。

バカラックの経歴を交えながら、『雨に濡れても』でオスカー音楽賞を獲るなど、その業績を語る。

洒落た上品で、ポップな作品を多く生んだ才能。

だが、その報じ方には、やはり、落ち度があって残念。

バカラックがブレイクしたのは 1960年代だったけれど、当時、彼は、すでに30代半ば。

音楽的にはかなりの遅咲きであって、そこまで、ある意味、持ち堪えられたのは、

彼の才能に惚れ込んで、自分のステージの、常任のピアニスト、ディレクターとして使い続けた、マレーネ デートリッヒ (1901~1992年) の絶大なる支えが在ったからに違いない。

バカラック(英語読み)、というラストネームからわかるように、(ユダヤ系)ドイツの出身。

デートリッヒもまた、ドイツ人であった。

バカラックの後ろには、デートリッヒ在り。

そこのあたりをキチンと添えてこそ、天下のNHKではありませんかねぇ。
……、と苦言。

 

凛とした雪の朝は、デートリッヒの演歌を聴くにふさわしい。

では。