夏目 漱石 (1867~ 1916年) は、俳人としても一流だった。
小説家として名を挙げるもっと前から、秀句を多く詠んでいて、俳壇的にも、それなりの地位を得ていたらしい。
明治32(1899)年。
漱石 32歳。
第五高等学校(後の熊本大学)の英語教師として、熊本に赴任して 3年が過ぎる(最後の年)。
妻帯して、やはり3年目だったが、家庭生活には不穏な暗い影が落ちつつあった。
阿蘇山あたりに遊んだ時の句と思われるものを、いくつか拾う。
灰に濡れて 立つや薄と 萩の中
行けど萩 行けど薄の 原広し
野菊一輪 手帳の中に 挟みけり
変わり映えもしないまま、さつまいもは何時収穫したらいいんだろう? と思案しては、こんな曲を聴いているのが、萬年の秋。
では。