(註:1,900字と長いです、家人はきっと途中で放棄だろうなぁ……)
昨日、職場で会うなり、
― シュート20本打って、あれはないわぁ、と同僚のヤナさんは、コボしまくる。
観戦後の感想として、決めきれない仕上げの部分が、強い残像として刻まれたことは確か。
ただ、僕からすると、では、なぜ 20本(をおそらくは超える)のシュートを打つことができたのか?、しかも、相手にわずかなシュートに終わらせて、という点が重要だ。
今後につながる、ひとつの成果、または到達点として。
要は、シュート数は、氷山が海上に現われた部分であって、それを叩き出すことができた背景、これが大切に思われます。
それは、主に何だったんだろうか?
❶悩めるギラヴァンツの、不可解な先発メンバー。
いままでレギュラーだったプレイヤーが、4人ほど先発から外れ、ベンチ要員でゲームに入ったことに、僕は、多少驚いた。
それは、ミッドフィルダーの前川、六平、フォワードでは中山、ディフェンダーの藤原。
思うに、指揮官は、直近2ゲームを、なんらかの停滞ととらえた。
対策として、先発を刷新することによって、チームに強力な推進力を付与しようとしたのではないか?
ただし、これは、ひとつの賭けだった。
たとえ、北Qの攻撃の生命線である活発なサイド(佐藤 亮、乾 貴哉)を、従来どおり先発させたところで、それと絡む最前線、および、中盤(ボランチ)との安定的な連係が不足すれば、当然、攻撃力は乏しくなる。
つまり、左右サイドの孤立が、山雅にかなりの優位性を与えることとなった。
❷貫き通した 5バックへの忠誠。
鹿児島戦の反省によるものかどうか、今節は、3バックをゲームを通して堅持した山雅。
面白かったのは、相手にボール支配が傾いたこともあって、ほとんど 5 – 3 – 2の陣形で戦ったこと。
左右サイドバック(外山、下川)が、敢えて高い位置を採らずに、最終ラインを形成。
これ、要するに、北Qのサイドプレイヤーの侵入を、ゴール前30m付近で、ボランチらと連係してマンツーマンでがっつりと阻止する策だった。
で、このやり方が、北Q側の迫力不足(上記❶) に援けれらたこともあり、かなり奏功。
外へ追い出し、横に逃げさせ、時間を使わせることで、抛り込まれたクロスにも対応できていた。
危険だったのは、#7佐藤のシュート1本くらい。
もちろん、ボール回しのこなれは相手の身上だから、これを追いかけまわすのにかなりの我慢と苦労を要したけれど、手を抜かずに敢行。
ここらへんの覚悟が全プレイヤーに共有されていたのが、今節に込めた決意の表れと、僕は診る。
で、そのサイドのスペース。
そこを、今度は山雅が、ルカオ、横山のフォワードがカウンター攻撃に使うことによって、面白いようにチャンスを創出した。
後半75分、パウリ―ニョと稲福の交代によって、逆三角形の3ボランチは、ダブルボランチ(稲福、佐藤)へと修正されて、5 – 2 – 3 となる。
更に、85分、菊井に替えて宮部(左サイドバックとして)を投入すると、外山を前線に出すことまでして、やはり、5 – 2 – 3 を続けるほどの徹底度でした。
こうみてくると、〈3バックへの回帰〉が勝因の根底に在った。
更に、特記しておきたいのが、次の 2点。
❶佐藤 和弘の復活。
(住田の出場停止が奇貨のようになって) 2列目のボランチみたいな格好で佐藤 が躍動した。
ゴール前へ入ってくる迫力と、可能性を感じるシュートにおいて、佐藤が突出していたのではないか。
プレイスキッカーとしても、ひとつひとつのボールが絶妙でした。
菊井と同様に、かなり広範なスペースで攻守に顔を出すことによって、チームに貢献。(だから、菊井を自由に動かせ、って言っています)
❷センターバック選定における 好采配。
左から、常田、大野、野々村と並んだメンツに込めた意味、これがMVP的な仕掛けとなった。
58分、佐藤のフリーキックを、野々村が頭で折り返し、それをセンターに飛び込んだ常田がヘディングシュートを決める、ってのは、その見事な成就。
北Qが前からガンガン来ないこともあって、センターバックによるボール配球も安定。
ただ、いちばん特筆したいのは、攻撃時、再三にわたり高い位置に走り込む常田がそこに居た、ということ。
それと、前半アディショナルタイム、野々村が、ゴール前まで駆け上がってキーパーと競ることでチャンスを生みだした、あのプレイ。
フォワードが獲れないのなら、ディフェンダーで獲ってやる、といった気概を感じましたし、〈攻める守備〉が露わになるつつあるのは、今後の糧になるはず。
というわけで、萬年目線によるMVPは、やはり、常田 克人、がレビュウの結論であります。
では。