〈ざっくりと、いわきFCを表現すれば〉
〈ショートカウンターと、いとわない空中戦〉スタイル、となるだろうか。
カウンター攻撃に賭ける、ということは、ボールポゼッションにはこだわらないということ。(いままでの全試合で、保持率は50%を切る)
さらに、そこへ持って来て、ショートだから、ボール奪取の位置が高い、ということを意味する。
グラウンダーのパスは、ペナルティエリア近辺に入っての仕上げに使う感じで、中盤では、たとえ無理な体勢であっても、空中戦をいとわず、回避せず。
(だから、例えば、藤枝とか愛媛といった、パス多用で小奇麗なサッカーを志向するチームは、軒並みに苦戦している)
で、カウンターモードに入ると、サイドからクロスを迷わず早く投入してきて、果敢に中に入ってくるプレイヤーは、身体のどこを使ってでもシュートまで持っていくのがチーム規律、というか、鉄則のようだ。
〈山雅の勝機ポイントは、三つ〉
いわきスタイル、つまりその特長とは、かくのごとくあっけらかんとして、明快なんだが、じゃあ、山雅はどう立ち向かうのか?
❶思うに、強く、速く、聡くの中では、
〈速く〉を攻守にわたって尖らすことが肝要、と診る。
ひとつは、相手のカウンター攻撃に対する、素早い手当てとしての守備。
ふたつめは、クロスからの失点が比較的に多いいわきディフェンスに対し、態勢が整わないうちにフィニッシュまでやり遂げる速い攻撃。
この両面で、山雅としては、俊敏さを絶対的に要するだろう。
速い攻撃には、もちろんドリブルでの突っかけも含む。
というのは、反則ポイントで現在断然トップなのがいわきで、これは、ボールホルダーへの執拗なファールが案外少ないことを表わしていると思われる。
ちなみに、山雅は反則ポイントでは、下から3番目の 16位。
挟撃的に相手の攻撃を潰すやり方が、こういう結果になっているんだろうが、したがって、強くをことさらに強調しなくたって、山雅戦士は粘着的に守備をするに違いない。
いわきにファールが少ないというのは、同時に、相手との真っ向衝突になる以前に、それをかわして前進するからではないか。
とすれば、やっぱり、山雅にとって、
前後に向かって、より速くに始まり、より速くで終わる、がゲームテーマになるはず。
❷空中戦にフラストレーションをためず、かつ、その後を制すること。
もちろん競合に勝てればいいが、勝ち負けよりもむしろ、丹念にそれを処理して、リズムを崩さないことが大切。
特に、こぼれたボールの回収。
ですから、2列目のプレイヤーのボールの行方を察知する能力と、それを次につなげる展開力、これが試されそう。
中盤を締める、ということになれば、安東 晃の突破力も貴重なんだが、ゲームのリズムをいわきの流儀で進ませないという意味で、浜崎 琢磨が持つ、パス供給能力とボール保持テンポも、できれば希求するんですがね。
数日来の強風が続くようであれば、風を巧く使う智恵も要るかと。
❸聡いセットプレイは有効。
特に、コーナーキックの守備時、いわきはゾーンディフェンスで待ち構える。
ゆえに、空中戦を得意とするチームに対し、マットウなボールを入れたところで守備網の破綻は、あまり期待できない。導けない。
今節こそ、いままで貯めこんだ、さまざまのアイデアをデパート陳列のように披露すべきではありませんか?
いまのところ、当日は炎天、その後雷雨の予想。
そこらあたりの気温低下への対策も講じながら、6月を勝利で締めましょう!
いくぞ、キョーワーン。
では。