(時候の憶え:6/12 馬鈴薯が開花する)
2 – 0 。
この一戦、雷雨の完勝、と記憶しましょう。
どこが完勝なのか?
ひとつは、強く、速く、ひたすら前へを、忠実に実践してみせた点で。
ふたつ。
藤枝myfcという攻撃大好きチームに、そのサッカーをほとんどやらせなかった、という意味で。
シーズン最高、とは言わないが、今でき得る最大限の、山雅スタイルの具現でありました。
前半10~30分は、藤枝に主導権を握られたものの、ほかの時間帯は、ホームチームが、ほとんどゲームの流れを制していた。
ボール支配は、藤枝が、60~70%だったのではないか?、と思いますが、そうさせておきながら、ゲーム自体は、こちらが握ってしまうところに価値がある。
中途半端にボールを保持せず、相手に持たせておいて奪取反転を狙うのが、山雅にとっては居心地は良い、というか、手馴れた感が深まっていますね。
4 – 4 – 2 の陣形から入って、それがやがて、1 – 4 – 5 (2 – 3 – 5)へと可変しながら、リジットに連動して手簿網を形作っている。
― こういう光景が、ふたたび確かに戻ってきた、そんな気がします。
前半、藤枝のミドルシュート(枠内) が目立ったものの、ビクトルが危なげなく、これを処理。
ペナルティエリア内から被弾したシュートは、ゲームを通じて5本でしたが、どれも枠内を捉えさせずに封じたんですから、パスで崩して、という藤枝スタイルは、結局、不発に終わった。
クロスや、セットプレイで入れられるボールは、すべてこっちが先手で対応したことも、特筆もの。
レフェリーの笛は、ひどく不正確で、いただけなかった。
プレイヤーの動作に、多分にダマされてしまうので、とるべきファールをとらず。
他方、シュミレーション的なものを、ファールと認定してしまったりで。
けれど、そのために、相手に多くセットプレイが与えられ、それがかえって、藤枝流のゲーム進攻を阻害したのは、皮肉な現象でありました。
それにしても、鈴木 惇という名手を抱えているからこそなのか、マットウなボール投入ばかりのセットプレイでしたね、藤枝は。
意表を衝くセットプレイをさかんに考えている山雅からすれば対応しやすいんでしょう、こういうのは。
鈴木を引っ込めた74分が、藤枝にとって事実上の終戦だった、と思います。
もちろん、相手にそのサッカーをやらせないだけでは、勝利は引き寄せられないわけですから、山雅の攻撃に、ひとつのランクアップが生じているのが得点に結びついた、と言えます。
このゲームでは、サイド侵入とクロスの質、これが良かった。
前 貴之のボレーシュートは残念ながら未遂に終わりましたが、クロスを上げたのは、田中パウロだったわけですから、先発起用に応える働き。
残る課題は、決定機をモノにすることか。
……、こう観てくると、先発メンバーのパフォーマンスは最高の出来でありました。
それが証拠に、いつもより、交代が10分程度後ろ倒しになったのもうなずけます。
背景に、適正、かつ、熾烈なポジション争いがきっとあるだろうこと。
それと、浜崎 琢磨もトレーニングマッチ(対新潟)で復帰しているようなんで、選択肢が豊かになりつつあること、を喜ぶとしましょうか。
では。