彼を見据えよ (藤枝myfc戦 プレビュウ 前篇)

現監督の何が好きか?、というと、戦術で語るところだ。

だから、ガイナーレ鳥取戦のゲーム後インタビュウをよく読めば、それがそのまま、藤枝戦のプレビュウになってしまうんですよね、これが。

〈彼を知り己を知れば 百戦殆(あやう)からず〉

『孫子』(謀攻篇)は、論じられてから 2,500年の月日を経ても、いまだ有用な兵法書。

で、今回は、〈彼を知る〉の プレビュウ前篇。

チーム数の多さからなんだろうが、Jクラブはだいたいが毎季プレイヤーの半数近くを入れ替え続けている (稀な例外は、2021季の札幌くらい)。
(おまけに、監督も使いまわし)

だから、藤枝が例外という訳でもない。

けれど、15人が出入りした中、ヴェテラン(枝村、那須川、谷澤、森島) が引退するなどして、かなり強烈にチームをスクラップ&ビルドして、今季に臨んでいる感がある。

とは言え、1990年前後生れのヴェテラン(鈴木、岩渕、押谷) が要所に配され、彼らがチームの軸になって牽引、そこに、若手が活き活きと絡む、という構図だろうか?
もちろん、岩間 雄大も在籍だ。

ボールを持って、パスを多用(リーグ2位)して、相手陣内の奧、ペナルティエリアへと侵入(回数でリーグ1位)し、ゲーム平均15本(リーグ4位)のシュートを浴びせ、手堅く、枠内へと飛ばしてくる(リーグ1位)。

ドリブル回数は、リーグ2位。

でもって、クロスは、ゲーム平均18本(リーグ3位)。

これだけでもう、攻撃大好きサッカーが歴然、ではありませんか。

中盤でのショートパスが多いから、攻撃は、インサイドハーフ(鈴木、水野)のところが起点となって、左右サイドをえぐって侵入、しかも、折り返して、ゴール前のスペースを、小刻みなパスワークで割ってくる、そんな格好なんでしょう。

せめてもの救いは、プレイスキッカーの名手鈴木を擁しているわりには、コーナーキック、直接フリーキックが比較的少ない、ということか。

そもそもが、コーナーキック狙いではないのかも知れん。
あるいは、ファールされる前の、ボール離れが速い?

当方の指揮官はこれを、「湧き出てくる回数が圧倒的」な攻撃、と表現なさっている。

前節藤枝と対戦した福島は、前々節までの失点がたったの 3、それが、このゲームで一挙に 6失点。

堅守、なんて看板が一瞬で吹っ飛んでしまうような攻撃力に曝された。

ところが面白いことに、藤枝は、ボール支配60%であった前半に3得点していて、しかも、ボール支配が逆転した(福島が60%強)後半にも、3得点している。

これは、5点を失った福島が、ラスト30分で攻撃に転じたこと、それと、藤枝が大量点をバックに防御的になった(手を緩めた) ?ことによるかも知れないな。

が、とにかく、先制して相手を意気消沈させてしまえば、それこそ藤枝の思うツボ、ということを示している。

……、とまぁ、恐ろしいこと尽くしなんですが、では、これに対して、山雅はどうする?、は後編で。

では。