双子のゲーム思想 と光明 (2022.6.1天皇杯2回戦レビュウ❶)

時間をさかのぼって、当日は 午後2時過ぎ頃のこと。

阿南町(下伊那郡) のあたり、国道151号を南下していると、携帯に電話が入る。

― 〇〇君はね、本日のメンバーではありません !
さっき、〇〇付近で犬の散歩しているのを見かけたの、と家人が、親切なご注進。

― なるほどね。用意してきたゲーフラは、車に置いていくよ。

……こんなやりとりが、ゲームの伏線になるわけです、天皇杯は。

〈登録メンツの、相似性〉
ジュビロの登録メンツは、萬年予想が全く外れ、そのため、天皇杯へのアプローチが、両者でほとんどそっくりになってしまう。

磐田陣営はどうも、最少の労力投下で、三回戦への切符を獲ようとしたんですかね?

〈松本山雅〉
リーグ戦(5/29)の先発で、当夜も先発したのが、ひとり(常田)。
リーグ戦のサブ7人のうち、当夜の先発に、5人を採用。
リーグ戦の先発ふたり(住田、小松)が、このゲーム、後半に投入される。

〈ジュビロ磐田〉
リーグ戦(5/29)の先発で、当夜に先発したのが、ひとり(#28)。
リーグ戦のサブ7人のうち、当夜の先発には、6人を採用。
リーグ戦の先発ふたり(#2、#14)が、途中投入された。

……結果、レッキとした公式戦でありながら、

まるで、トレーニングマッチを、45分 × 3本やって、そのうちの、ラスト2本を、3,700人強の観衆にみせた、といった現象が起きたヤマハスタジアム。

つまり、2 – 5 のスコア(敗戦)とは、1 – 2、1 – 3 の 2回戦やっての合計、と分解できる。

これ、皮肉でもなんでもなくて、三回戦進出を賭けるように表層には見えているが、プレイヤーからしてみれば、自己価値の訴求と、定位置確保におけるハードワークをした90分であったと、僕は強く感じる。

別の言い方をすれば、チームの総合力の対戦、とも言えた。

〈このゲームを糧とするならば〉
テンポ良くサイドを割られ、クロスに対してひとり余った格好で飛び込まれての連続失点。
手馴れたテクニックの前に、相手をなかなか捕まえきれずに、反撃のチャンスがつかめず、その芽も巧くかわされて。

と、いわば、翻弄された60分が先行したけれど、5点獲って相手が手を緩めがちになったこともあるが、だんだんと、そのスピードに馴れてくると、ラスト 20分は、けっこう、こっちがボールを握れるような展開が生まれた。

特に、交代投入された、小松 蓮 と 村越 凱旋のコンビネーションが効いて、そこへ持って来て、中盤(住田 将)が落ち着いてさばけるようになったから、ゴールに迫るシーンが、連続するようになる。

狭いエリアで最後のラストパスを狙うのもいいが、思い切ってそこで打っちゃえ、なんて場面もあったりで、さらに、1、2 点入ってもおかしくない様相に。

ですから、80分台の追加点(by 小松)。

でもね、このたった 1点は、けっこう意味が重い。

振り返っても御覧なさい。

昨季、メンツはそれぞれに違うにせよ、2回やって、1 – 4、0 – 4 で殺られている相手なのだ。

それも、ゲームの最後の最後まで、押しまくられた。

ホームでは、金子 翔太に、96分に1点献上とか……。

それが、ココロを折らず、最後まで相手を追い詰め続けたのは、今回は、こっちだったわけ。

ここに、チームの成長と、新しい姿への脱皮を観ずして、なんのために遠州くんだりまでやって来たんだ。

……というのが、この遠征記のオチ。

ですから、ゲームが終わって帰り際、お隣で観戦のご夫婦に、

― このゲームによってきっと、リーグ戦での底上げができたんじゃあないですかね。今季いちばんのテーマは、あくまで一年での2部復帰ですから、

と申し上げたのは、もちろん、僕の本心。

では、あと少しの補足を、プレビュウ❷で。