日記にでも書きつけておかないと、忘れてしまうことだらけ。
と、いうことで、隣家のツバメ(夫婦) が、今月11日に飛来したことを記す。
庭を動いている僕の様子を、早速、電話の引き込み線にとまって上から眺めているので、
― やぁ、お互い生き延びて、また、会えたよね、と声に出して挨拶する。
野鳥にも霊はあるのだから、きちんと言葉にして伝えるのが、礼儀だ。
ところで、その4月11日とは、三木 のり平 (1924 ~ 1999年、享年74 ) の 誕生日。
だから、あのツバメは僕に、のり平を偲ぶという贈り物をしてくれたわけ。
ここで僕がわざわざ強調しなくとも、喜劇役者としての卓越は、世間がわかっていることは十分に承知。
40数年前の〈徹子の部屋〉で、司会の黒柳が、ゲストの三木を半分マジメ、半分大げさに〈喜劇王〉、と紹介しているくらいですから。
小林 信彦 著『おかしな男 渥美清』(2002年 新潮社刊)には、こういうくだりがある。
1962年のこと、小林が、渥美に、
― 三木のり平は、なぜに仲間うちで受けるんだろう?、いっときほど面白くないと思うが?、と水を向けた。
すると、渥美は、ズバリと、こう断言した。
―肩の線だね。あのなで肩の感じが、プロ(俺たち)にはたまらなく、おかしい。
肩の落とし方で、おかしみを表現できるのか。奥が深いなぁ。
でも、まぁ、いいや。
21世紀になってしばらくの今、それを超える役者に乏しいんだから、ここで称賛し直したところで、なにが悪い。
映画『あ・うん』(1989年)では、掏摸(スリ)役でご登場。
高倉 健 (主人公) のフトコロからまんまと抜いたあと、バッタリ屋台で一緒になる時の、なんともバツの悪そうな演技。
これは、以前にご紹介したか、と記憶しますが、今回は、座頭市(by 勝 新太郎) への出演場面を観ましょうか。
では。