〈まづは 得点〉
たとえ、昨季失点が71、の無惨な地点から始めるにせよ、
底が抜けたバケツのようなズサンな守備を是正するにせよ、
今季の最大課題は、得点力の底上げ、これに尽きると思います。
いくら守備が良くたって、点を獲らなきゃあ勝てないわけで、過去の山雅、得点力が低いゆえの堅守構築だった、と思う。
たとえば、2部で優勝した2018シーズン。
総得点は、54 で、これは、リーグで、第10位だから、平凡。
でも、失点は 34 で、断トツのリーグ最少。
要は、そのバランスで、しぶとくトップ獲りが叶った。
それからの 3シーズン、得点力はたいして上向かないまま、他方、失点力!が倍加したのが、昨季の惨状。
比較的速い攻撃、身体的優位性をそのまま活かす戦法が、印象に残る 3部。
だとすれば、対人マークを厳しくやることと、ゴールキーパーの位置取りとセーヴィングの緻密さ、これは要諦でありましょう。
だから、守備は、とことんそこらに注力するとして、あとは、攻撃に傾注。
ボールを、徹底して手中にしながら前進するサッカー、それを狙う。
行って帰っての頻繁なサッカーに、いいように胸をあわせていてはいけません。
絶対優位で勝ち抜くには、ほとんど相手陣内でボール保持するサッカーでないと、複数ゴールは遠く、ゴールに近い位置でのプレイスキックや、コーナーキックの獲得チャンスも少ない。
(註 : 萬年の頭の中は、カウンター攻撃在りき、ではないから)
〈攻撃力強化の……与件は〉
❶オーソドックスな指揮
昨季、就任以来の通算戦績は、23戦して、3勝6分14敗。
敗戦のうち、無得点のゲームが11。
ただし、ラスト6戦は、得点できるようにはなった。
この戦績と実戦観察から、現監督が、とってつけたような戦術には走らず、けっこう王道的、正攻法的な戦略を採る御方、と診ている。
たしかに、その成果はゲームを追うごとに現われはしたが、タイムアウト、というのが先季。
勝ちを獲るため、なりふりかまわぬ奇策は弄さず、という信条。
ならば、いまは、チームをいじめ抜いてもらって、二次キャンプで戦法の詳細な落とし込み、という手腕を期待するのみ。
❷ドリブルを減らせ
ゲーム平均のドリブル数は、リーグ第6位で、けっこう多かった。
これには、ドリブルが得意なタレントが配された事情もあるだろう。
ただし、ピッチの縦(およそ100m)を3等分して、相手ゴール側の30mのエリアへの侵入回数をみると、山雅はゲーム平均、リーグ第18位でかんばしくない。
乱暴な観方をすれば、低い位置からドリブルを始めても、あるいはピッチ中盤でドリブルしたところで、脅威にはならない、ということ。
ドリブルを得意とするならば、その強みは、より高い位置、相手ゴールにより迫った位置から仕掛けてナンボ、と割り切る。
どうでもいい場所での、場所からのドリブルはもう止めて、ペナルティエリアに近い場所で、それを発動しよう。
❸そのためには、陣形を上げよ
あまりにシステムにこだわるのもなんだけれど、
初期布陣を、4 – 2 – 3 – 1とする。(守備時もほぼそうなる)
で、前へ向かう時は、3 – 3 – 3 – 1 くらいにしてしまう。
つまり、センターバック2人と、基底に落ちたボランチ1人で、最終ラインを構成。
サイドバック(守備の両端)の2人は、縦関係で上がっているもうひとりのボランチと並ぶような格好で、高くワイドに。
シャドウ(2列目)には、3人を配するようにして、攻撃参加の枚数を確保。
最後は、センターフォワードが1人、……、という態勢、ではどうか。
これだと、いままで3バックでやってきたことと親和性を保てる。
あえて個人名を挙げれば、佐藤 和弘と榎本 樹はシャドウ要員として攻撃力を活かす。
ボランチも含め、とにかく高い位置から勝負、これを観たいなぁ。
では。