分相応 と不自由を愛せ

タムっ、という音でドアが閉まるような車もいいよな。

……と思ったこともあったが、そういう気持ちも、いつしか消え失せた。

バムっ、で上等、分相応に暮らせ、というのが、亡母の遺言なんだから。

持ってる車がステータス、なんてのは、遠い遠い過去の話。

何故かというと、現在、すべての車種において、それなりの仕様が装備されてしまっている。

実際、僕の使っている車のエンジンは、頼んでもいないのに DOHC (カムシャフトが2本有って、高速回転に適す) であるし、レギュレータハンドルもなくて、ボタンひとつでウインドウのガラスが上下する。

パワーステアリング、なんてのは、もはや死語ですな。

個人的には、SOHC (シングルカムシャフト) で十分。
自然過給式の、非力、かつ素直に吹き上がってくれるエンジンでいい。

走って、曲がって、止まることがストレスなくできれば、グッド。

ジャガー氏の知り合い(女性)は、脳の老化をおそれ、現行ジムニーの、わざわざマニュアルシフトを選んだ、というから人それぞれ。

ところで、サイズ、これがやっかい。

特に車幅が、北米向け輸出規格に引っ張られてしまうのか?、3ナンバーで大きくなるばかり。

こうなると、ロータス エリーゼが、車両重量を少しでも削ろうと、パワーウインドウですらない、そんな姿勢が新鮮に映る。

エコ、とか言ってるのに、車ばかりが豪勢になっていいのかね?、とつくづく思う。

しかも、力づくで電動化に突っ走る、この世界。

そんなわけで、昔々の(現行ではない!) ミニクーパーに出逢うと、ホッとします。

では。