永遠の ヒロ。

― ねぇ、昨日、京子さんからメールがあって、高崎がゴール裏に来た時、泣いていたって。
どういうことなの?、と思ってたんだけど……。

試合の翌朝、家人が、出し抜けに問うてきた。

ご伴侶のブログを読んでさえいれば、不可解なこともなかったのに、と思いながら、

― この秋、ヴァンフォーレに加入したのよ、ヴェトナムから帰って来て。
昨日のゲームでも、終盤に投入されました。
ゲームの締めを託される格好で。
自分が、なにをしたらいいのかわかっている仕事ぶりです。

ゲーム後、アウェイゴール裏に挨拶に来たんでしょう、そのあたりを歩いていたら、拍手が聞こえてきましたから。

― 高崎が加入したシーズン始まる前の練習で、わたしゃあ、これは別格なプレイヤーだと思ったのよ。その動きが、他と全然違っていて。

彼が在籍当時のゲーム中、自分にボールが出ないと、けっこうな剣幕でチームメイトに要求していた高崎を観て、

― 高崎って、文句ばかり言っているわね!、と文句タラタラだったことも忘れて、いまや、ずいぶんと評価が高いのでありますな。

そりゃあ、そうでしょうとも。

今の山雅では、なんでこっちへボールを寄こさないんだ!、ってチームメイトに強く迫るシーンはほとんど観られませんから。
セルジ―ニョぐらいでしょう、せいぜい。

そこなんですよね、そこ。不満なのは。

相手プレイヤーの陰に入るようにしてボールから逃げている、あるいは、競ってパスコースに入って来ないようじゃあ、山雅のエンブレムが泣いてます。ったく。

……、甲府での背番号が#29。

あくまでストライカーの〈9〉にこだわる男。

ひょっとしたら、ヒロのカムバックはありかもよ、と思いたい、この頃。

では。