肉と骨と (アルビレックス戦プレビュウ)

琉球戦の逆転負けに懲りたのか、それと、フルで使いたいタレントが90分持たない台所事情のためかも知れないが、
ここ2戦、前半は堪えておいて、後半、相手の運動量が落ちたところで勝負、みたいなゲームプランをもって臨戦の山雅。

ところが、実際は、守備がもたずに前半に失点。

すくなくとも 2点とらないと勝利できないむづかしい状況で、後半の笛を待つことになる。

失点 63 を叩き出しているような守備に、45分間をクリーンシートで過ごせ、と期待すること自体、果たしてプランとして妥当なのか、大いに疑問です。

ラストのほうで持ち直した町田戦ではあったけれど、たとえば、3失点目のシーンを観ていただきたい。

守備陣が全員ボールホルダーの周りに吸い寄せられてしまい、ミドルシュートを打つべく駆け上がった町田プレイヤーのほうは、誰もケアしていない。

気づいた佐藤があわてて寄ろうとするが、間に合わず、余裕を与えて打たせてしまう。

ゴールの瞬間、ディフェンダー4人がゴールマウスに固まって茫然。
― なんてのは観ているこっちのほうが、唖然とする。

こういうのを、プロにあるまじき行為として、指揮官から叱責されたのでは?、金沢戦で。

さて、今節の対戦相手、アルビレックス。

データをみたら、ボール保持とパス回数では、リーグ第1位、と来たもんだ。

弱気、遅足、ファールでしか止められない守備陣は、前節と同様にやれば、素早く回されるボールに振り回されるのが、目にみえている。

まぁ、これ、最終ラインだけの非でもなくて、彼らが背走せざるを得ないようなパス出しをゆるしてしまうファーストディフェンスと中盤を責めるべきかもしれない。

とにかく、速い裏抜けや、縦パスを通されたら、お手上げ状態。

あのリヴァプールから始まって、クオリティの差があるとは言えど、さぁ、これから行きますよ、なんて挨拶なしに、空いたスペース狙って、人とボールが同時に入ってくるのが、スタンダードなサッカーになりつつような気がします。

だから、こういうのを止め、かつ、こちらがそれを発動できないと、なんとも苦しい。

ただただ、自陣奥深くに侵入されるのを、
―おいおい。
なんて嘆息まじりに見せられるも、いい加減にしたいんです。

ですから、そこのところを前提に、ゲームプランを立てるべきであって、

結論として、ここ2試合の、70分過ぎあたりからのメンツを、惜しげなく先発で投入してしまったらどうか?、というのが論旨。

そして……、
虎の子の1点を守り切るような、あの栃木のように、全員守備の割り切りサッカーに手を染めるのか?

あるいは、陣形をコンパクトに、ディフェンスラインを高めに押し込んでいくスタイルに執着するのか?

正直言って、後者を推すんですが、どちらにしたって、貧弱な得点力と脆弱な守備なんだから(得失点差 ▲33)、最初から飛ばして、先制しない限り、勝ちは転がり込まない、と思います。

肉を切らせて骨を裁つ、なんて構えていたら、切る前にこちらが断たれてしまう。

最後。
たくさんシュートを打たれるがゆえの恩恵として、数多いゴールキックの件。

これにしたって、後方からつなぐのか、でなくて、ロングフィードするのか、判断と決意が、その都度遅くて、手際が悪いことマッコトおびただしい。

あれ、相手をじらすため、わざとダラダラやってる作戦なら、いろいろ言わん。

だったら、ヘディングに優位な榎本 樹を入れておいて、ロングボールで競り勝ってセカンドボールの回収、に全力を挙げたらどうか。

ネヴァーギブアップっていうのは、そういう地道なことの徹底ではありませんかねぇ?

では、アルウィンで。