アウェイ長崎は雨でもなかった。
が、0 – 1 の敗戦であれば、気持ちはどうしても湿りがちになる月曜日。
ただし、いっつも痛い思いをさせられる都倉 賢にやられたので、ある意味サバサバ、って感じか。
さらに、あの失点の起点となったクロスは、システムのギャップを衝かれたものなんで、まぁ、致し方なし。
これで4連敗。
となれば、さらにいろいろと騒ぎ出す、血気盛んな向きもあるだろう。
けれど、本質を見よ。
対栃木および岡山の、戦い方のテイタラクに比べれば、今回の敗戦はそれほど致命的でもなく、惜しくも地力の差を覆せなかったゲームに過ぎない。
〈天皇杯で獲たものの発展形〉
❶浜崎 琢磨と前 貴之のダブルボランチ
特に浜崎が下に降りて組立てる際のリーダーシップ。
それと浜崎、前が適時サイドへ出て、サイドバックと連携して侵入するやり方。サイドバックを難なくこなすふたつのタレント活用は、理に適っておりますな。
❷田中パウロの突破力と、河合 秀人らの連携によるサイド攻略。
❸村越 凱光のアグレッシブな攻守
……、これらを、58分に3枚替えすることによって、ピッチに再現、ゲーム内容を修正して魅せたのは素晴らしい。
プレビュウでは、下川 陽太が当初から左サイドバックと予想しましたが、彼の投入も左サイドとの、およびピッチ全般との連携上で効果的だった。
佐藤 和弘の不在をなんとか挽回し得る戦術の開発、としておきましょう。
ボランチのところで時間と選択肢を創り出せれば、2列目の鈴木 国友や河合がもっと攻撃へ力を割けるわけで、このゲーム鈴木は、カイオ セザールとやり合う局面が多く、かなりの疲労だったはずだが、よくやったと思います。
❹戸島 章の強み
高さがあって空中戦の競り合いで優位、かつ、足元も巧い。
戸島の良さを活かすには、彼が落としたボールを回収する者が必要となってくる。
このゲームでは横山 歩夢にそれを担ってもらいたかったが、突っかけるためのスペースがほしいためなのか、戸島との距離が間延びしてしまったのは恨みが残ります。
今後、克服すべき課題。
〈結局、不足しているもの〉
ざっくり言って、パスのズレによるボールロスト、がそれ。
イージーなものは論外として、攻撃の詰めの場面でパスが通らない、ってのは、このまま地上戦でいくのなら、修正してもらうしかありません。
要因が、個の技量にあるのか、連携の意思疎通にあるのか、いづれにせよ。
この点、長崎にはパスやズレがはるかに少なかった。
というのは、Vファーレン式パスは、近距離間で通すことを当然な位置取りをし、かつ、リスクを背負ったパス供給をチャレンジしないので、当然といえば当然。その分、パス数を積むサッカー。
萬年は、山雅がやろうとしている、ハイスピードで、スペースを狙っての大胆なパスによる打開を気に入っているので、今のチャレンジを続けてモノにしてもらいたいんですがね、チームとして。
あとは、DF陣への注文は、もっと相手をおびき寄せるようなパスを多用することで、最終ラインから一気に攻める局面を創り出すこと、でありましょうか。
星キョーワァンのプレイには、それが濃厚に感じられて期待大。
〈エジガル ジュニオの貢献〉
長崎の中では、FWエジガルが出色の出来でした。
前線でのボール保持、降りて来てのパス配給、アシストパス供給のタイミングと精度。
フォワードとしてほぼ完璧で、ミスがない。学ぶべきプレイです。
長崎が好調(復調?)と聞いているけれど、都倉を含めてFWに献身的プレイにおいて手を抜かせないこと、あとはむづかしいことは捨てて、自分の強みを個々が最大発揮する。
そういう方向が、今は、奏功しているんでしょうか。
ただし、剛直であるが、ある意味で無策のサッカーは、相手が狡猾を前面に打ち出してきた場合、かなり苦戦するでしょうね。
では、最後に、萬年式MVPをば。
攻守にわたって要所要所で効いていた、外山 凌、としたいんです。
では。