最近は、令和キネマ座の亭主を差し置いて、家人のほうが、映画三昧のもよう。
この前『君よ憤怒の河を渡れ』(1976年) を観ていたと思ったら、翌々日に居間に入ると、
おっ、今度は『冬の華』(1978年) じゃん、といった具合。
― 池上 季実子(1959年~) って、なんて美しいの! 今はただのオバサンなのにね。
我が事は棚に上げてよく言うよ、と思うと、あるいは、
― 小林 稔侍って、ああいう役者だったんだぁ、とか。
彼、この作品ではセリフが一切なかったし、まして家人がピラニア軍団なんてのを識る由もないし……。
でも、この当時の邦画に開眼なさるのは、まことにけっこうなご趣味ではないか。
数分画面に観入っていたら、老いた藤田 進(1912~1990年) が、渡世家業に飽いた親分役で出て来て、あぁ、なかなかいい味出しているな、と感心したのが、この日最大の収穫ではありました。
しかし、高倉 健(1931~2014年) という役者は、どの作品をとっても、痛々しいほどマジメに役をこなす人だなぁ。
……、と記事を書いていところへ、田村 正和(1943~2021年)の訃報。
この人も、自身のオーセンティックなスタイルで一貫していたよなぁ。
昭和時代は、どうしてもこういう曲で閉じ込めたくなります。
では。