凋落を計測する(ブレグジットの余波)

球には、マジメな話題。

遂に、と言うか、やれやれと言うべきか。

2021年1月1日、グレートブリテン&北アイルランド連合王国(以下、英国)の、欧州連合(以下、EU)からの離脱が、発効した。

ブリテンが(EUから)離れる(エグジット)、という合成語〈ブレグジット〉が盛んに使われて、約4年あまりかけての決着だ。

この際、GDP世界第5位、貿易立国である英国の最大関心事は、EU原産地品の輸入における関税ゼロ、であったに違いない。

(英国は、貿易収支ではずっと輸入過の国である)

関税ゼロを、EU事務局(大統領府)との交渉で勝ち獲ったジョンソン首相が、勝利宣言するくらいであったから。

けれど、本来、離脱は言語道断なEUからすれば、オメオメと相手にばかり有利な条件で合意する、とも思われない。

きっとこの部分にだって、したたかな罠を仕掛けてあるのではないかな?
(おそらく、しばらくすれば、それが露わになるだろう)

大陸から離れた島国という地政もあって、どうも英国は、他者(=EU)から画一的なルールで縛られたくない、といった情緒が濃厚な感じがして、それが離脱のムード面での最大な要因だったりして。

EU圏内の中で比較的に好調な経済を、他者都合で下降させたくないのだろう。

さて、当初。
メディア論調では、絶え間ない移民流入にネを挙げた英国が離脱を決意~、だったように記憶する。

英国はもはや、他の先進国と同じように、移民労働力がなければ経済が成立しないはずだ。

絶対に必要だけれど、のべつまくなしでも困る、というのは、これも先進国に共通した、ずいぶん身勝手な話ではないか。
(たとえば、研修生制度、とかいう大義名分のウソを編み出したのが日本)

特に、英国の場合、かつて面積と人口ともに地球の25%を植民地化していた大英帝国という過去を持っているのだから、いまさら、それをサラリと忘れてもらっても困るのだよ。
いまでも〈英国連邦〉は存続させているわけだし。

とにかく、EU離脱によって、外国人労働者の流入にも制限が加えらるようになった。

もちろん、サッカー選手もその対象だ。

プレミアリーグでは、いままでEU加盟国の国籍を持つ選手の登録には制限がなかった。
この条項自体は存続したとしても、労働ビザ発給条件が厳格に適用されるから、さまざまと実質的な条件が増える。

豊富な資金力をベースに、外国籍者をふんだんに雇用してきたビッグクラブ。

つまり、マンチェスターシティ、マンチェスターユナイテッド、リヴァプールなどは、新たなプレイヤー補強に、足かせが加わるようになる。

今後は、思い通りのプレイヤーばかりでチームを創ることができなくなる。

そのなりゆきを、時間をかけて観察しよう。

何年かかって、生まれかわっていくのか、と。

これも、せいぜいブレグジットの愉しみのひとつ。

果たしてプレミアリーグは、どんな智恵で人気リーグの地位を持ち堪えるのだろうか?

では。