〈面白くもない強さ〉
サッカー(リーグ戦)では、よっぽどのこと(ペナルティ)が無い限りは、
勝ち点が減ることは、ない。
これ、なぁんだ、ってこと過ぎて面白くもなんともないが、
勝ったり負けたり一進一退の戦果を積んでいる限りは、19位の苦海から一向に抜け出せないのが現実、というわけ。
要は、連勝がなければ、上昇はほぼ無理。
今季の福岡、リーグ開始早々はパッとしていなかったが、12連勝を成し遂げたこともあって、いまや、2位。
で、その勝ち方が特長的で味わい深い。
31節を終えて、
・1 – 0 でモノにしたゲームが 12あって、全体の 40%近くを占める。
・得点をみると、3点入れたゲームは、たったのひとつだけ。
2点以下で勝ち切ってしまう力を持つ。
派手さはないけれど、得点を大切にして失点を抑えた勝ち方。
これをチームとして体得しているようにみえるのです。
前節水戸戦のハイライトを観ると、前半5分の先制点を守り切って、1 – 0 の勝利。
―こういう手堅さ、地味さは観ていて面白くないかも知れぬが、ご褒美としての堂々の順位。
ある意味、真の強さ、とも言えるでしょう。
〈さて、山雅は……?〉
考えてもみてくだされ、福岡の失点数は、リーグ最少の22。
これは、我が愛しのチームの、丁度半分なのだ。
いかにスキのない戦いかたであるかが、おわかりになるでしょう。
となれば、福岡の失点のうち 45%はフリーキックから、といったところで、じゃあフリーキックに注力すればよいか?、といった単純な話でもない。
要は、相手にシュートを打たせない、打たせてもクリア(たしかリーグ1位)してしまうのだから、そこを克服しない限り、対戦するとかなりゴールが遠い、という現実は突破できないはず。
前回対戦は、土壇場の混戦から塚川孝輝のバイシクルで勝ったものの、最後の最後で果報を期待する、ってことは臨戦意思として非現実的だろう、と思う。
では、どんなゲームプランなんだ?
❶前節からレギュラークラスの疲弊を極小化しつつ、遠地福岡に向かう、これがまづもって山雅イレブンにとっての最大の準備。
❷スキのない福岡、となれば、それ以上に各プレイヤーがスキを見せずに責任あるプレイに徹底すること。
意図もないような無責任なクリア、消極的で中途半端なパス、だれかにボールを渡してしまえ、といった逃げ腰のパスワーク、そんなものを一掃すること。
おそらく、こういうところを狙ってくるのが、今のアビスパの身上なのだから。
❸ボール保持に執着せず、パス神話と無縁のアビスパは、けれど、相手にボールを保持させるのも厭うだろう。
たとえば、相手ディフェンスひとりふたり飛ばしの中途半端なロングボールを多用して当方のリズムを乱してくる。
サイドや最終ライン裏へと。
これに焦れずに、ひたすら我慢してチャンスを紡ぐ、ということでしょうね。
❹サイド、あるいは中央突破の起点となるのは中盤、つまりはボランチ。
そこが究極の勝負どころになるでしょうから、兄弟の対決となる前 貴之には、意地でも、寛之君を抑え込んでもらいたいものです。
2列目と中盤に〈狩るタレント〉を並べる山雅スタイルの、正念場でありましょう。
博多の森で、チームに貢献して責任を果たせ!、今回のキャッチコピーです。
京子さんは、今回は現地参戦。
羨ましさを隠しながら、当方はDAZNにて参戦だ。
では。