もはや背信… (2020.9.23 FC琉球戦レビュウ)

…に等しいゲーム、という声が、おそらく内外から湧きあがるんでしょうが、

みづからのサッカーをやり遂げたチームが、(結果として)準備と行動にまったく不足したチームに勝利したのだから、勝負の世界では、あるべきまっとうな姿に過ぎない。

大騒ぎするんだったら、せいぜい昨夜のチケット代を返せ、だろう。

だから、FC琉球のプレイヤーこそを、最大の献辞で称賛したいと思う。
萬年プレビュウにおける危惧をことごとく具現化したことにおいて。

ただ、6 – 1 の 壊れたようなスコアを叩き出しちゃったもんだから、アウェイの地という事情もあってか、チームに激烈な歓喜表現もなくなってしまったのは、かえって申し訳ないことではあった。
(ロッカールームや、帰途のバスの騒ぎは知らない)

ゴールした都度、琉球のプレイヤーの挙動には、この程度の相手ならば得点して当たり前、といった趣きがあったことは確かで、そういう部分にチームスタイルの一貫性と自信をみました。

大宮を 5 – 0 で下したのがフェイクでないことを、昨夜、山雅が逆証明できたのか?
これが、残念ながら、少々疑問であることは、下に述べたい。

繰り返しになるけれど、彼我が、数年前まで、あるいは、昨季はどのリーグにいた、というような無用な色眼鏡をそろそろ外さないといけません。

つまり、過去はどうあれ、負けるべくして負ける現在地を受け入れないと。

我がチームを、いったい何様と思っているのか?、
手練手管で切り抜けて来たことを、自分の実力と勘違いしちゃった、かね。

ここを自省しないと、おそらく無駄な落胆と議論を重ねるだけだろうなぁ。

さて、負けるべくして負けた山雅に目を向ける。
〈昨夜のサッカーを戯れに示すと……〉
ミスは一流。臆病、二流。
三、四がなくて、守備五流。、そんなところか。

アルウィンに居た身として、これこそが実感!

❶チームとしての意思疎通と連動のこなれ感が希薄で、それがパスミスを多発。

守備や、組み立てに関する約束事が、どうしてもこちらに伝わってこない。
一体、なにを徹底してやりたいのか?
攻撃は、せいぜい ふたりでなんとかやってくれ、みたいな様相になって、単発感、場当たり的なパスにみえるんですよね。

特に驚いたのは、3失点目を喫した直後、GK村山が数人のプレイヤーを集めてなにかの調整を仕掛けたこと。

ゲーム中の修正といえば聞こえはいいが、それってゲームの前に終わらせておくことだろうに、という雰囲気がありありで、なんとも痛々しい。

❷突破されることを怖れてだろうか、ボール際にチキンと迫らないので無様にはがされる。
相手の先手先手を一向に阻止できないので、振り回されては、クサビのパスやサイドチェンジをやすやすと成立させる。

チーム全体から地滑り的にチャレンジと覇気が消え失せてしまうと、観客席からは、(怒りを通り越した)失笑が漏れてきた。

(手)拍手しか許されず、(たとえ鼓舞するものであっても)ヤジや罵声が禁止されると、最後は、失笑や、憐憫の苦笑になるのは、人間性の自然ななりゆき。

〈スコアは、本質なんかじゃあない〉
戦術的な側面にも目を投じよう。

0 – 3 で終えた前半の出来を挽回すべく、後半開始に、指揮官は 4枚替えを敢行。

左右のサイドバック、ボランチひとり、左アウトサイドハーフの 4人。
さらに、ラスト20分に、ボランチ(米原→山本 真希)ひとり で計5枚。

この交代によって、サイド攻撃はかなり活性化され、ボランチの奪取機能も上向きになったかも知れないが、テコ入れすべき最重要点には手が入っていない。

その証拠に、前半同様、後半だって3失点なんだから、交代策が十全に機能していないか、ピッチに残したカードのプレイにカイゼンがなかったということ。

要は、センターバックのところ。
この場合、乾 を残すべきであった。
リスクを冒してもサイドバックが駆け上がらねばならぬ状況の時、センターバックふたりの連携には特段の意を払うべきであるから、常田―大野のセットは明らかに悪手と考える。

もっと言えば、誰がピッチに在ったにせよ、ディフェンス網を敷く場合、誰が誰を捕まえるのか、そこの部分が出来ていないように思われて仕方がない。
逆に言うと、最終ラインでボールを我が物にして、さぁ、これから反転、という組み立ての決め事、これがどうか、ってことです。

アプローチされると怖気づいて、ボールをまづは手近な味方に渡してしまうような安易と無責任さに、スタジアムが気づいていないとでも思っているんだろうか。

……、以上、チーム総体の意思疎通、戦術的な側面を述べた。

観ている側の感情に沿ってみても、もしも、昨夜の最終スコアが、0 – 3、あるいは、1 – 3 であったと仮定しても、まったくもってゲームを創れなかった内容に対しての不満は、かなり切実であった、と思いますよ。

先失点(造語)を、20分近くまで我慢できたこと、龍平と真希の両山本にはプレイに気概を感じたこと、不甲斐ないゲームへのセルジ―ニョの憤懣。
さらに、明後日には次のゲームが来てしまうので、落胆に沈潜する暇もないこと。

―この 4 点にわづかな希望を見い出した、昨夜。

セルジ―ニョと村山のキレることにはまったく同意。
というわけで、ゲームの拍手は控えました。

なぜなら、拍手でもした日には、彼らの本気を愚弄することになりますからね。

では。

妹たちから学ぶこと (2020.9.22レディースU-15 観戦記)

創設2年目の今年は、北信越リーグに参戦している山雅レディース。

アルウィンで、シュロス松本との対戦(前期第3節) がおこなわれたので出かけていった。

大会の詳細を承知していなくて正確を欠くが、参加は、7チーム。
これをふた組に分けて総当たり戦をおこない(前期)、各組の順位が決まった後、同一順位同士の決定戦(後期)という日程らしい。

山雅レディースの戦績(前期)はここまで、1勝1分1敗。内訳は……、
9/19  対 グランセナ新潟  2 – 0
9/20  対 アルビレックス    0 – 2
9/22  対 シュロス松本      2 – 2 (萬年観戦のゲーム)

当日のアルウィンは翌日の琉球戦の準備がされてあった。
観戦者は、ほぼ保護者親族と指導者スタッフで、およそ100名前後。
会場入り口では体温測定、アルコール消毒などCOVID-19対策がされていた。

ゲーム前ピッチ練習では、小林陽介コーチが快活かつはつらつと指導をおこなっている。

〈進化をみせるチーム〉
ちょうど一年前に小坂田でみたチームに比べると、(メンバーは変わったものの) かなり強化されている印象を受けた。
ボールを受けてターンして交わす、相手と身体を入れ変える、ボールを失わず運ぶ、そういった基本技術は上がっていて、ほぼ全員がこれを難なくこなす。

4 – 4 – 2のシステムを採る。
サイド攻撃は、サイドバックとアウトサイドハーフの連携もよくて、かなり強力だ。
スピードを持ったプレイヤーをここに配しているのがわかる。
ツーボランチはテクニカルでボールの扱いに優れる。
今後は、視野をより広くすることが課題だろうか。
といっても、いいタイミングの縦パスも入れていて、巧くサイドへ配球もする。

出足の速さと寄せの強さは山雅にだいぶ分があって、挟み込んでのボール奪取にも手を抜かない。

特に感銘を受けたのは、アウトサイドハーフがみづからが前に走ることを前提にして、後方のサイドバックに向かってボールをはたく以外には、ボールを下げることをほぼしないことだった。

これは、トップチームにも望みたい、と強く思ったくらい。

さて、ゲームは、先制されて、逆転したものの、追いつかれるという展開。

2失点は、ディフェンスの裏に抜けたボールを、相手の大型フォワードに、GKと1対1の状況下で決められたもの。
シュロス松本は、前線に強力なカードを3枚揃える、というのが強みのようだ。

この年代にとって、最終ラインの裏には広大なスペースが空いてしまうから、こういう失点は事故のようなもの、と割り切って良いと思う。

GKが勇気を持って飛び出し、結果防げたシーンも何回かありましたよ。

山雅の2点のうち1点は、エリア内での被ファールによるPKで決まった。
それだけ、ペナルティエリアへの侵入を繰り返していたんだが、しぶとい波状攻撃では、もうすこしシンプルに打っても良かったか。

あまり表面には出てこないかも知れぬが、日々強化に励むプレイヤーとスタッフに感謝しつつアルウインを後にした、穏やかな秋の午後でした。

では。