最高に腑に落ちた夜 (2020.9.02 岡山戦レビュウ)

0 – 1 の敗戦。
ここまで、16戦して、3勝4分9敗 かぁ。

勝と負けの数がひっくり返って当たり前の、現有戦力だと思うんですがねぇ。
お前、それはファンの贔屓目よ、ってことでもないでしょう。

繰り返しになるが、チームスタイルと戦略/戦術に大きな変更をおこなっている時間(と手間)がない、特有のシーズン。

折り返し点を前にして、バタバタと浮き足だってもしょうがない。

とにかく内部不協だけはご法度で、自らの〈強み〉に強烈にフォーカスすべし。

〈腑に落ちたゲーム戦略とは〉
萬年がプレビュウでの推奨にほぼ近いではないか!、という点で。

❶4バックシステムの採用。
ただし、岡山は昨夜上田 康太を欠いていたため、洒落た組み立てが乏しく、それがかえって精悍なプレイを引き出し、当方の思わくどおりでなかったかも。

❷アウグストと塚川の、ダブルボランチ。
アウグストの献身的な対人ディフェンスは、やはり餅屋的な強みであり、そこから攻撃への反転は、もっとみせてもらいたい切り札。

❸アウトサイドハーフ(2列目)とサイドバックの組み合わせは、左右ともに意欲的。
右➩吉田 将也と久保田 和音。 左➩浦田 延尚と杉本 太郎。
特に、吉田/久保田のセットには、果敢なチャレンジがあった。
吉田は確かにミスも目立つが、それを怖れす課題を突破してもらいたい。
実際、今季、これほどサイドからの侵入を繰り返したゲームはほとんど記憶にない。

❹外国籍プレイヤーを、ルール上限の 4名をエントリーし、同時にピッチで働くような交代をおこなったこと。
使ってみなければ何も始まらない。
ジャエルのプレイスタイルや思考の一端が、昨夜ようやく明らかになった。

セルジ―ニョを控えでゲームを始めるなんて贅沢は、他のJ2チームがとても真似のできない潤沢さであって、そういう発想には、少々驚嘆しました。

〈疑義あるプラン〉
❶どうも、ゲーム後半からのギヤアップを基本戦略にしていると思います、いまの山雅は。
まさか、覚悟してた先制点献上じゃぁないでしょうが、不幸なのは、ほとんどのゲームで先制されることによってこのプランが頓挫していること。

このリーグでは、先制すると逃げ切り志向が顕著で相手はより防御的になりますし、山雅の側も先制されて余裕と忍耐を失い、攻撃においてプレイが強引、かつ粗くなる。
さらに、畳みかけられて更に失点する淡泊な守備がある。
いわば三重苦。
これらすべてに力を注入しても、三兎を追う者はなんとか、となるのは必至。

萬年はこの際、攻撃の課題に集中特化して、これを克服することを期待します。

そういう意味では、昨夜ゲーム開始3分頃に魅せた攻撃はひとつのモデルであったと思います。
スタートからフルギャロップで行って、―あの連携と感触を、チームとしてできるだけ多く、長く繰り返すことに尽きるのでは?

先制点が相手に入ることによって、時間稼ぎのプレイとはなるわ、ゲームから緻密さが減ずるわ、で、陣形が粗く、間延び。
得点力に苦しむ岡山のようなチームであれば尚更で、ここは、徳島戦の反省が活かされなかった点。

❷服部 康平のフォワード起用はありだと思いますが、上で言ったとおり(同点にすること前提の)パワープレイのためのカードです、現状。
パワープレイの発動とは、要するに、絶望的状況での突貫。
こういう局面に服部の強みを設定してしまうことは反対です(昨夜のゲームではかなり効いていたことは認めますがね)。

2トップの一角として先発、あるいは、攻撃的なセンターバックで推します。
そうすることで、2トップの選択肢はさらに豊かになるはず。

さて、納得、不満いろいろ並べました。

勝負の世界ですから、結果ですべての議論が吹っ飛んでしまうことは承知の上で、仕込みの工夫は愚直にやってもらいたい。

こんな山雅、といって愛想を尽かすのは、おおかた勝ち馬に乗りたい(成功に集まる)だけの話と、悲嘆に堪えられないこころ。

もちろん、前者は放っておく。

カラータイマーが点滅しても、しなくとも、プレイヤーには、後者の人々を思いやって、ピッチに立つことを願う……。

では。