さまざまな制限下のゲームに足を運んでいると、
失って 初めて悟る 劇場アルウィン、と後ろ向きなことを呟いてしまう萬年。
けれど、少しでもポジティブになりたいと、予期せぬ恩恵を考えてみた。
そのひとつ。
ベンチからの指示、プレイヤー同士の声が観客席までけっこう届くこと。
北ゴール裏に座っていると、ゴールキーパーがフィールドプレイヤにかける声が特によく通る。
それを聞いていて、内容そのものよりも、言われた側はどんなふうに思っているんだろうか、とつい忖度している。
自然、声だけではなくコミュニケーションを図ろうとする行動にも目が行く。
たとえば、前節対アビスパ戦の54分。
ボランチの塚川 孝輝がセンタバックに通そうした横パスがずれて、ファンマがそれを難なくかすめ獲ったシーン。
眼下の出来事に、あぁ、これは!、と失点を覚悟して観客席はフリーズ。
だが幸いにも、グラウンダー性のシュートは、GK圍 謙太朗の右手の先を走り抜け、わづかにポスト外に逸れた。
この直後、圍は塚川に近づくと、その肩のあたりをポンと叩く。
内心思うところが有るろうだろうけれど、ドンマイ、と励ますその仕草にはグッと来た。
あるいは、右サイドバックの吉田 将也が裏抜けしようとボールを引き出した直後は(攻撃は実らなかったが)、後方から良かったよ!、といったような声をかける。
ミスを犯せば消沈してしまうのがフツーだが、鼓舞し合って次の機会を狙う。
今夜の味スタでも、そういう一致がチームに在るように、と願う。
そうだ! 、ふたつめの救いとは、きっとこれに違いない。
自チームがミスを犯せば、すぐに落胆や失望の声をもらすアウェイサポーターがいないこと。
では。