チャレンジャーの幸福 (ヴェルディ戦プレビュウ)

〈今こそ挑戦者だ、山雅〉
クラブ創設の昔から、山雅にとって、ヴェルディ(当時は、読売クラブ)は、格別の存在だった。

チームカラーの〈緑〉だって、ヴェルディへの憧れから採用されたもの。

過去、そして現在に至るまで、経営、強化スタッフ、プレイヤーの各層に、ヴェルディのレガシィを享受してきた山雅だ。

で、今季。
現在のチームの構築進度や戦績といった状況からすると、偉大なるヴェルディに挑戦するの構図が、ますますと鮮明。

みづからをチャレンジャーと規定して闘える山雅の幸福が、ここに在る。
(まぁ、いまの順位からだと、すべてのチームに対して挑戦者となるけれども)

〈伝統回帰の道を行く ヴェルディ?〉
ボール保持率、パス数は、リーグトップ。
攻撃回数はリーグ20番目ながら、ゲーム当り8位の得点を稼いでいる。

ということは、いったん攻撃を発動したら、かなり高い得点率を誇る。

つまり、前を向かせてボールを自在に動かされたら、失点を覚悟しなければならない。

4 – 1 – 2 – 3の陣形は、超攻撃的な布陣。
ペナルティエリアに侵入する際は、5人くらいが駆けこんでくる。

〈アーティストには 自由に前を向かせない〉
前節の水戸戦(2 – 0 で勝利)の前半は、しかし、水戸の出来がかなり良くて、ヴェルディは思うようなサッカーがなかなかできない。

これは、水戸が前線から強度高くプレスをかけ続け、ヴェルディのプレイヤに前を向いてボールを配球する体勢と余裕を与えなかったことが大きな要因。

とすれば、テクニックとボール回しに長けたテクニシャン達を、〈剛なる〉球際と粘着で押し込んでしまう、これこそ今節の最大テーマ。

特に、ヴェルディの中盤、アンカーとインサイドハーフふたりで構成する逆三角形、ここに自由を与えないことと、サイドチェンジを使って駆け上がる、スリートップの左右両翼にフリーでボールを握らせないこと、これ肝心。

山雅は、前線の3人が、ねちっこくボールを奪うことから攻撃を開始する、といった考えに徹する、で良い。
だから、この3人の最大ミッションは、まづは守備と割り切る。

重要なのは、前線がボールを追いかけまわす時、ボランチと最終ラインがそれと連動してせり上がること。
3 – 4 – 2 – 1 を採るとしたら、‐ (ハイフン)の間隔を間延びさせないこと。
ここにスペースをつくると、ヴェルディの逆三角形のプレイヤーがそこを衝くからだ。

明らかに自分たちよりボール運びに長けたアーティストと真っ向勝負して、その華麗をなりふりかまわず封印してしまう。

これをできるだけ長くやり続ければ、ひょっとしたら、勝ちがこちらに転がり込む。

それくらいに割り切ってしまおう。


そして、明日の夜、だだっ広い味スタをば、山雅がモノにする……。

では。