10年を浪費するであろう民。

前を走る車の後部に、〈Baby in Car〉のマグネット。

よく見かけるやつね。

それを言いたければ、〈Baby On Board〉でないと、ネイティブスピーカーが読むと、頭の中が〈!?〉になる。

〈in〉だと、グローブボックスや、ドアトリムのポケットの中にベイビーが入ってます、という語感なのだ。

でも、読ませたい相手は皆日本人だし、かつ、英語で格好良くやりたいし、となれば、これで押し通してしまえ、で良い。

ところで、かつて、僕たちが最低6年(中高)もの時間を投じて習った英語。

ブロークンであっても英語で会話をやりきってしまえる者は、そうそうは見当たらない。

まさか、マグネットや看板を読むための努力だったとは。

しかも、本年度からはそこへ4年(小学校3年~)が加算される!

日本人は、よっぽど外国語学習得力に劣った頭脳の持ち主なのか?

否。

その理由は、110年前すでに、夏目 漱石が解き明かしている。

漱石によれば……、
自分たちの学生時代は、教壇に立っていたのは外国人教授ばかり。
したがって、全ての学科で英語を使って授業をおこなっていた。
しかし、今日(明治43年時点)では、日本人の教授が日本語で教えるから、学生の英語力が落ちるのは当たり前であるし、それが国家の近代化の道としてマットウなこと。
ナショナリズムを、たかが英語の知識と引き換えにしてはならない……。

ゆえに、これから幼児に英語を習得してもらいたいのであれば、答えは明々白。

すべての授業を英語でやってくれる学校に入れるか、あるいは、家庭における会話の一切を英語でやれば、オーライだ。

ただし、その場合、日本人固有の素養と民族意識が身に就くのかは、保証の限りではありません。

では。

〈コメント〉
☞つーさんより  (7/9 16:05)
今だに鎖国を続ける男。
思うに、日本人に生まれたから、日本語が話せるわけではない。日本語のある環境の中で育つから、自然と日本語を覚えるのだろう。
流暢に英語を使えるようになるには、やはり幼い頃から英語のある環境に居なくては無理なのだろう。
恥ずかしながら、英語が得意だと思っていた中学、高校時代の自分、後年ハワイに行った時、連れの背中にへばりついていた始末。
勿論、学校の授業で英語を習得した人も沢山いるだろうが、そうなるには、結局個人の能力と志しの問題だろう。
一方、日本人だから流暢に日本語が使えるのか、日本の本当の良さを知っているのか怪しいものだ。
コロナ期は抜きにして、これだけ外人観光客が来る時代、日本人より本当の日本の良さを知り、日本語を丁寧に使いこなす外人さんも結構居るに違いない。
では、また。

☞萬年より  (7/9/17:24)
単に日本に生まれただけでは、〈日本人〉ではない。
ただし単一民族の国家に限りなく近いので、日本人に成りやすい環境。
米国の場合これが困難なので、国旗や国歌、ゴッドブレスアメリカを頻繁に引っ張り出す。今は、鎖国と孤立に向かっているようにみえます。孤立する自信があるんでしょうか。